セキュリティニュース 2026-07-07

2026-07-07 / セキュリティニュース


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セキュリティニュース(2026年7月7日)

英ロンドン交通局を襲った「Scattered Spider」、メンバーが裁判初日に罪状を認める

2024年8月、ロンドンの公共交通網を運営するTransport for London(TfL)のシステムを麻痺させたサイバー攻撃で、実行犯とされる若者2人が英国の裁判で罪状を認めた。6週間続く予定だった裁判は初日にして事実上の決着を迎えた。2人は著名なハッキング集団「Scattered Spider」の中心メンバーとされる人物で、同集団は電話を使った巧みな「なりすまし」(ソーシャルエンジニアリング)でIT部門を欺き、企業ネットワークに侵入する手口で知られる。カジノ大手やハイテク企業への大規模侵害にも関与したとされ、メンバーの多くが10代〜20代の若者であることも話題になってきた。特別な技術力よりも「人を騙す話術」で大企業を陥れる点が、社会工学的攻撃の怖さを改めて示している。企業側の対策としては、パスワードリセットなど重要な操作を電話一本だけで完結させず、社内の別ルートで本人確認を行う仕組みを徹底することが有効とされる。

身代金の90%を実行犯に還元——急成長するランサムウェア集団「The Gentlemen」の正体

ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)を使う犯罪集団の中で、被害者数が第2位にまで急浮上した「The Gentlemen」。この集団は攻撃を実行する下請けハッカー(アフィリエイト)に身代金の90%を還元するという破格の待遇を掲げ、腕利きのハッカーを次々と引き込んでいる。セキュリティ研究者のブライアン・クレブス氏が、この集団の管理者の正体に迫る手がかりを報じた。ランサムウェアビジネスは分業化が進んでおり、高い取り分を提示するグループほど攻撃の担い手を集めやすく、結果として被害件数が増える構造になっている。攻撃基盤そのものを開発・提供する側と、実際に侵入して身代金を要求する側が別れて分業する「サービス化」の流れが、犯罪の規模拡大を後押ししている形だ。

イラン系ハッカー、新型の遠隔操作基盤「Cavern」でイスラエルの政府・IT企業を標的に

イラン情報省(MOIS)とつながりがあるとされるハッカー集団が、これまで確認されていなかった新しい遠隔操作基盤(C2フレームワーク)「Cavern」を使い、イスラエルの政府機関やIT企業を狙うスパイ活動を展開していることが、セキュリティ企業チェック・ポイントの調査で判明した。C2(コマンド&コントロール)とは、攻撃者が侵入先のパソコンにマルウェアを送り込んだ後、遠隔から指令を出して操るための「司令塔」システムのこと。国家が関与するとみられるサイバースパイ活動は国際情勢の緊張を映す鏡でもあり、取引先や海外拠点を通じて日本企業が巻き込まれる可能性もある。

16年前からの隠れた欠陥「Januscape」、仮想マシンから母艦を乗っ取る恐れ

Linuxの仮想化基盤「KVM」に、16年前から存在していたとみられる欠陥「Januscape」(CVE-2026-53359)が見つかった。仮想マシン(1台の物理サーバー上で複数の独立したコンピュータを動かす技術で、多くのクラウドサービスの土台になっている)の中から、それを動かす母艦(ホスト)側のメモリを壊し、制御を乗っ取れる恐れがある。IntelとAMD両方のプロセッサーに影響し、概念実証(動作を確認するための試作コード)がすでに公開されている。研究者は「未公開の本格的な悪用コードも存在する」と示唆しており、クラウド事業者やサーバー管理者には迅速なパッチ適用が求められる。

「情シスです」の電話にご用心——Teams通話を悪用しマルウェア「EtherRAT」を仕込む手口

攻撃者がMicrosoft Teamsの音声通話機能を悪用し、社内のIT部門になりすまして従業員に電話をかけ、指示に従わせてリモートアクセス型マルウェア「EtherRAT」をインストールさせる手口が確認された。これは電話を使った「音声フィッシング(ビッシング)」とマルウェア感染を組み合わせた攻撃で、いったん侵入されると社内ネットワーク全体への足がかりにされてしまう。リモートワークが定着した今、Teamsやチャットツール越しの「サポート電話」は誰にとっても身近な脅威になっている。四国めたんが後半で触れるとおり、電話口の相手が本物か、社内の公式ルートで必ず確認する習慣が重要だ。

パスワード管理サービス「LastPass」、また情報流出——利用者は要注意

パスワード管理ソフト大手「LastPass」の利用者データが再び盗まれたと米Wired誌が報じた。LastPassは過去にも複数回、深刻な情報流出を起こしてきたサービスで、今回の一件はその繰り返しとして注目されている。パスワードマネージャーとは、数多くのサービスのパスワードをまとめて暗号化し、一つのマスターパスワードだけで管理できる便利なツールだが、その分「攻撃者にとって狙う価値の高い金庫」でもある。LastPassを利用している人はマスターパスワードの変更や、二要素認証(ログイン時にパスワードに加えてもう一つの確認を求める仕組み)の見直しを検討したい。

「ネットに繋がなければ安全」を覆す——映像ケーブルの電波で情報を盗む新手法「TrojPix」

中国・山東大学の研究者が、外部ネットワークに一切接続しない「エアギャップ」環境(政府や重要インフラで採用される最高レベルの隔離策)のパソコンから情報を盗み出す新手法「TrojPix」を実証した。画面上のピクセルを人の目には分からない形で細かく操作し、そのわずかな変化がモニターへの映像ケーブルからにじみ出る微弱な電波となって漏れる仕組みで、近くに置いた受信機がそれを読み取って画面の内容を再現できるという。ただし事前にそのパソコンへマルウェアを仕込んでおく必要があり、すぐに誰でも実行できる攻撃ではない。とはいえ「ネットに繋がなければ絶対安全」という前提を揺るがす研究として注目される。

Ansible・GitLab・Jenkins・pgAdmin——開発現場の定番ツールに脆弱性が相次ぐ

JPCERT/CCの週次レポートで、サーバー設定を自動化する「Red Hat Ansible Automation Platform」の権限チェックの欠如、ソースコード管理サービス「GitLab」の複数の脆弱性、ソフトウェアの自動ビルドを担う「Jenkins」用の複数プラグインの脆弱性、データベース管理ツール「pgAdmin」の複数の脆弱性が一挙に報告された。いずれも一般利用者が直接触れることは少ないが、企業の情報システムやアプリ開発の「裏方」を支える基盤ソフトであり、放置されれば開発環境やサーバーへの侵入口になりかねない。自社の情報システム部門がこれらのツールを使っていないか確認し、更新プログラムの適用を促すことが被害防止につながる。開発・運用の効率化を支えるツールほど利用範囲が広く、一つの欠陥が複数のシステムに波及しやすい点にも注意したい。

参考ソース

  • https://krebsonsecurity.com/2026/06/scattered-spider-hackers-plead-guilty-on-day-1-of-trial/
  • https://krebsonsecurity.com/2026/06/who-runs-the-ransomware-group-the-gentlemen/
  • https://thehackernews.com/2026/07/iran-linked-hackers-use-new-cavern-c2.html
  • https://thehackernews.com/2026/07/16-year-old-linux-kvm-flaw-lets-guest.html
  • https://www.bleepingcomputer.com/news/security/fake-it-support-calls-on-microsoft-teams-push-etherrat-malware/
  • https://www.wired.com/story/security-news-this-week-lastpass-users-had-their-data-stolen-again/
  • https://thehackernews.com/2026/07/new-trojpix-attack-leaks-data-from-air.html
  • https://www.jpcert.or.jp/wr/2026/wr260701.html

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音声合成: VOICEVOX / キャラクター: ずんだもん四国めたん