空気で自ら着る服!?時計・紙・道路・カツオ節も【2026/07/23】
2026-07-23 / 世界の珍ニュース
概要
今日の珍ニュースは、空気で着用者へ装着する服、複雑時計、紙タオル絵画、道路、カツオ節の5話。意外な見た目だけでなく、素材と用途が変わる条件も解説します。
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世界の珍ニュース――時計の中の2870部品、橋の下の住宅、10秒で着る服(2026年7月23日)
オープニング:2026年7月23日 — 世界の珍ニュース
今日の5本に共通するのは、身近な物の「普通の使い方」が裏返る瞬間だ。時計は時刻より機構の多さを見せ、紙タオルは捨てられずに額装され、道路の下は住宅地になる。木のような魚は薄く削って食べ、服は人に着せてもらうのではなく、自分から体を包む。見た目の奇妙さだけでなく、なぜその形になったのかまで追う。
63の複雑機構を載せた時計
ヴァシュロン・コンスタンタンの「バークリー・グランド・コンプリケーション」は、時・分・秒の表示以外の機能を意味する「複雑機構」を63種類備える。直径は約2インチなのに重さは960グラム、内部には2870個の機械部品が収まる。従来の記録だった33機構をほぼ倍にした、両面式の懐中時計である。
面白いのは、最初から63を狙ったわけではないことだ。開発側は36機構を目標に始めたが、計画が進むにつれて機能が増えたという。巨大にすれば機構は増やせる。難しかったのは、ポケットに入る大きさで全機能を表示し、互いに動かすことだった。
価格は非公表だが、専門家は1000万ドル超と見積もる。時刻を知るならスマートフォンで十分な時代に、この時計が売るのは便利さではない。小さな空間へ技術を詰め込む職人の執念そのものだ。
紙タオルをキャンバスにする画家
ポーランドの画家ヘレナ・ミンギノヴィチは、紙タオルにアクリル絵の具をエアブラシで重ね、ルネサンス絵画を思わせる人物や動物を描く。紙の型押し模様、折り目、しわ、破れは隠さず、そのまま構図の一部にする。
紙タオルは薄く、吸水性が高く、少しの水分や力で傷む。だから下絵を細かく完成させず、大まかな輪郭だけを置いて直接描く。丈夫なキャンバスへ移せば制作は楽になるが、「使われて消える物」に精密な像を残す緊張まで失われる。
彼女が扱うのは、人が永く残ろうとする一方で、実際には壊れやすい存在だという矛盾である。日用品が美術品になる驚きの奥には、価値は素材の価格や耐久性だけで決まるのか、という少し大きな問いがある。
集合住宅の真上を通る中国の道路
中国・貴陽市のシュイコウスィ橋は1997年に完成し、その2年後から橋の真下へ低家賃住宅と移転者向け住宅が建てられた。最終的に十数棟が道路すれすれまで立ち上がり、数千人が暮らす一角になった。
奇抜な建築を狙ったのではない。中心部に近い土地が足りず、郊外へ広げる代わりに橋の下の空間を住宅へ変えた。住民は街へ出やすく、家賃も安い。その代わり、頭上の交通音、振動、道路から入るほこりを毎日引き受ける。後に大型トラックの通行は禁止され、騒音と揺れは多少軽減された。
写真だけなら「家の上を高速道路が走る」で終わる。しかし理由まで見ると、安さと中心部への近さを選んだ都市生活の話になる。珍しい景色は、土地不足を誰の暮らしで解決するのかという問いも映している。
木のように硬くなるカツオ節
海外記事が「世界で最も硬い加工魚」と紹介したのは、日本ではおなじみのカツオ節だ。カツオを煮て骨や脂を取り、約1か月にわたり何度も燻し、さらにカビ付けと天日干しを繰り返す。数か月後、水分は18〜20パーセントほどまで減り、磨くと木や色ガラスのような硬さと光沢になる。
この硬さは食べにくさではなく、うま味と保存の工程が生んだ結果だ。専用の削り器で薄片にし、みそ汁やそばつゆのだしに使う。塊のままでは木片に見える物が、削った瞬間に香りを放つ落差が、海外の読者には珍ニュースになる。
日本人には日常でも、718年の養老律令に「煮て硬く乾かした魚」の記述があり、発酵させる形は江戸時代まで遡る。食卓の一杯に、数か月の加工と長い歴史が折り畳まれている。
空気で自ら着る服
韓国科学技術院とスタンフォード大学の研究チームが作ったのは、自分から着用者の体へ伸びる衣服「SWAG」だ。内部の空気式ロボットが、パーティー用の笛のように先端から裏返りながら伸び、布を体の形に沿わせる。空気圧によっては全身スーツを約10秒で装着できる。
発想のきっかけは、研究者が自転車で雨に降られ、「走りながらレインコートを着られたら」と考えたことだった。試作品は袖、ズボン、全身スーツへ広がった。人工知能で判断する服ではなく、ツタの伸び方をまねた機械設計で問題を解く。
本当に重要なのは着替えを面倒から解放することより、腕や指を動かしにくい人の自立を助けられる点だ。空気の管はまだ服の中で目立つが、介助される側と介助する側の負担を同時に変える可能性がある。
まとめ
63機構の時計は小ささを、紙タオルの絵は壊れやすさを、橋の下の住宅は土地不足を、カツオ節は保存とうま味を、自動で着る服は身体の動かしにくさを出発点にした。奇妙に見える物ほど、制約に対する工夫の形が露出している。
明日から変わるのは、物そのものより見る側の目かもしれない。紙のしわ、だしの一片、服を着る動作にも、誰かが解こうとした問題が隠れている。
参考ソース
- https://www.odditycentral.com/technology/south-korean-researchers-develop-air-powered-clothing-that-puts-itself-on-the-wearer.html
- https://www.odditycentral.com/news/the-berkley-grand-complication-the-most-complicated-watch-ever-made.html
- https://www.odditycentral.com/art/the-paper-towel-paintings-of-helena-minginowicz.html
- https://www.odditycentral.com/architecture/suspended-motorway-in-china-passes-straight-over-a-dozen-apartment-buildings.html
- https://www.odditycentral.com/foods/katsuobushi-the-worlds-hardest-processed-fish.html