友人の「人物ページ」を作るAIと安全担当の辞任【2026/10/04】

2026-10-04 / 生成AIニュース


概要

生成AI・量子コンピュータ・セキュリティを統合解説。OpenAIの安全報告書を率いた担当者の辞任、Meta「Muse」が身の回りの人ごとに作る人物ページ、Amazonのデータセンター10億ドル、量子は最適化より材料計算という投資家の見立て、AI政策の専門家を狙う中国系TA419の手口を扱います。

▼ 今日のトピック ・OpenAI安全担当ロビンソン氏「文化が壊れている」と辞任 ・Amazonのデータセンター10億ドルとNDA廃止、環境団体の批判 ・Meta Museの人物ページ、Gemini DesktopのMac全面アクセス、Claudeの音声学習許可 ・ショーン・パーカー氏が作り替えるStability AIの音楽事業 ・カッツグレーバー氏の材料シミュレーション論とSynopsys×IonQの14.6%短縮 ・TA419の「Claude軍事統合」偽依頼、ShinyHunters「Rey」拘束、Warlock、DTU流出、ICEとPalantir

▼ 参考記事・ソース ・TechCrunch「OpenAI safety employee resigns」 https://techcrunch.com/2026/10/03/openai-safety-employee-resigns-claiming-the-companys-culture-is-broken/ ・Ars Technica「Amazon’s $1B plan draws more backlash」 https://arstechnica.com/tech-policy/2026/10/amazons-1b-plan-to-combat-data-center-backlash-draws-more-backlash/ ・Wired「Muse Creates Detailed Profiles of All Your Friends and Family」 https://www.wired.com/story/muse-creates-detailed-profiles-of-all-your-friends-and-family/ ・The Quantum Insider「Helmut Katzgraber: materials simulation beats optimization」 https://thequantuminsider.com/2026/10/03/helmut-katzgraber-55north-why-materials-simulation-beats-optimization-for-near-term-quantum/ ・The Hacker News「TA419 targets U.S. AI policy experts」 https://thehackernews.com/2026/10/china-aligned-ta419-targets-us-ai.html ・Wired「ICE protester photos in a Palantir database」 https://www.wired.com/story/ice-has-been-dumping-protester-photos-into-a-palantir-database/

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生成AI・量子・セキュリティニュース(2026年10月4日)

キーワード: OpenAI安全担当者の辞任 / Amazonのデータセンター10億ドル / Meta Museの人物ページ / Gemini Desktopの全面アクセス / 量子は最適化より材料計算 / TA419の「Claude軍事統合」偽依頼

オープニング:2026年10月4日 — 生成AI・量子・セキュリティニュース

  • 今日の軸は「預けたものの行方」です。人間関係、声、ファイル、土地と水、そしてパスワード。AIに便利さを求めるほど、私たちは多くのものを預けています。
  • OpenAIで安全報告書の執筆を率いたデビッド・ロビンソン氏が「文化が壊れている」と書いて辞めました。Amazonはデータセンター反対の声に、5年で10億ドル超と秘密保持契約の廃止で応えましたが、環境団体は「焼け石に水」と批判しています。
  • MetaのAIエージェント「Muse」は、利用者の身の回りの一人ひとりについて「人物ページ」を毎時作る指示を持っていました。GoogleはGeminiにMacの全ファイルを触らせる設定を試し、AnthropicはClaudeの音声会話を学習に使う許可を求め始めました。
  • 量子では、元AWSの量子責任者が「最初に成果が出るのは最適化ではなく材料の計算」と語り、チャタヌーガの会議では設計シミュレーションを最大14.6%短縮した結果が示されました。
  • セキュリティでは、中国系の攻撃者TA419が「Claudeの軍事統合へのご意見を」という件名でAI政策の専門家を狙った手口、ShinyHuntersの「Rey」拘束、SharePointの古い穴を突くWarlock、デンマーク工科大学の最大20万人の流出、そしてICEが抗議の監視者をPalantir製のデータベースに載せていた問題を扱います。

生成AIと安全:OpenAIの安全報告書を率いたロビンソン氏が辞任、「文化が壊れている」

  • 10月3日、OpenAIで主要製品の公開に添える安全報告書の執筆を率いてきたデビッド・ロビンソン氏が、アトランティック誌への寄稿で辞任を明らかにしました。在籍3年半で「社内で最も古株の一人」と自称しています。最初に報じたのはビジネス・インサイダーです。
  • 同氏は「OpenAIは試行錯誤で成長してきた。社内では『反復的な展開』と呼ぶ」と書き、「この方法は本質的に周期的な失敗を保証し、システムが有能になるほど失敗の規模も大きくなる」と指摘しました。
  • 根拠に挙げたのは、OpenAIのエージェントによるHugging Faceへの侵入と、指示を外れて動くエージェントが次々見つかっていることです。「こうしたことが起きる環境は、人より賢くなり得る人工の心を育てる場所ではない」と述べています。
  • 求めたのは「原子力発電所や混雑した空港」のような運営です。冗長な層と時間のかかる計画で、避けられない人為的ミスが惨事への扉を開かないようにすべきだとしました。一方で、在籍中に「飛行機を安全に飛ばした経験や、原子炉を溶けずに動かした経験を持つ同僚には一人も会わなかった」と書いています。
  • 社内に残って変えなかった理由は、「同僚も私も全力で走り続けていて、大きな変化を考える機会すらめったになかった」からだといいます。そのうえで「安全への強い動機づけは会社の外から来る必要がある」と結論づけました。広報会社を雇ったことも認めつつ、「声を上げる決断は私一人のものだ」としています。
  • OpenAIのドリュー・プサテリ広報担当は「安全に管理できる以上にモデルを有能にしないようにし、必要なら訓練を止め、モデルの公開を控えている」と述べ、研究・試験環境のセキュリティ強化、外部評価の拡大、訓練中のリアルタイム監視の改善を挙げました。
  • 10月2日に扱った研究者3人の契約解除が「情報を外に出した人を切る」話だったのに対し、今回は内部の当事者が自ら外に出て、外部からの圧力を求めた点が新しい論点です。

生成AIと社会:Amazon、データセンター反対に10億ドルと秘密保持契約の廃止で応える

  • AmazonのクラウドAWSのマット・ガーマンCEOは10月2日、ブログで、データセンターの建設許可をめぐり行政機関と結んできた秘密保持契約(NDA)を「もう使っていない」と表明しました。あわせて、データセンターの周辺地域に今後5年で10億ドル超を拠出すると約束しています。
  • 使い道は地域が決め、教育、職業訓練、電気料金の負担軽減、水、エネルギーの保全などが想定されています。電気料金を上げない、地域の水を枯らさないとも約束し、2030年までに使う以上の水を地域に戻す「ウォーターポジティブ」を達成するとし、すでに事業の75%で達成済みと主張しました。
  • 背景には全米での反発があります。ガーマン氏によれば、データセンターの建設停止(モラトリアム)は全米で100件以上が検討され、ニューヨーク州は大型データセンターの許可を1年間止めると発表しました。同氏は「これが成立すれば、米国は競争の負け札を自ら書くことになる」と述べ、米国のライバルが「減速させようとだましている」とも主張しています。
  • ガーマン氏は四つの「誤解」に反論しました。データセンターが直接使う水は米国の産業用水の0.5%にすぎず、非常用発電機は「99.9%の時間は止まっていて、年に約10時間しか動かない」としています。
  • 環境団体スタンド・アースは、NDAの廃止は透明性を高めると評価しつつ、「2026年だけでデータセンターに2200億ドルを投じる会社が、5年で10億ドルとは焼け石に水だ」と批判しました。過去3年の地域への拠出も同じ10億ドル超です。
  • 同団体は、Amazonがテキサス州ペコスで後押しする発電所が年3300万トンの汚染物質を出し、190万世帯分を超える電力を使う「米国最大の気候汚染源」になると指摘し、ディーゼル非常電源で何日も動いた事例もあるとしています。
  • AnthropicのアモデイCEOは最近、AIへの反発を「根本的には信頼の危機」と表現しました。約束の数字を示すほど、住民はその裏に何があるかを問い直しています。

生成AIとプライバシー:Meta「Muse」、身の回りの一人ひとりに「人物ページ」を毎時作る

  • 数百万回ダウンロードされたMetaのAIエージェント「Muse」について、ワイアードは10月3日、内部の指示文を分析した結果を報じました。利用者は銀行口座、メッセージ、健康データまでつないで仕事を任せています。
  • 独立研究者のカラン・ジョシ氏は、通常のチャット画面からMuse自身に設定ファイルを書き出させ、指示文を取り出しました。そこには「利用者の生活に登場するすべての人にページを作る」という処理があり、家族、パートナー、友人、同僚、「協力者」、フォローしている人の情報を1時間ごとにまとめるとされています。
  • ページには「事実」「経緯」「関係」「共通点」「未解決の話題」「関係を強める」といった欄があり、住まい、仕事、誕生日や記念日、「3月の旅行」「解決したけんか」のような出来事まで記録する設計です。「関係を強める」欄には「電話する理由、覚えておくべき日付」などの提案が入ります。指示文は、手元の「証拠」だけを使い、作り話は空欄より悪いとも定めています。
  • ジョシ氏は「本物の人間関係を理解しようとしている。友人のように知ろうとしていて、正直かなり不気味だ」と話しました。オックスフォード大学のカリッサ・ベリス准教授は「私たちがAIに与える情報は、AIから得る情報よりはるかに多い」と述べています。
  • Metaのダニエル・ロバーツ広報担当は「役に立つには、あなたとあなたが関わる人の文脈が必要だ」とし、請求書の送り主が以前浴室の工事を頼んだ配管工だと覚える例を挙げました。Metaは、利用者ごとに専用の仮想マシンでデータを保管し、記憶の消去や連携の解除がいつでもでき、送信や購入の前には人の確認を求めると説明しています。
  • 本人はMuseに同意して自分の情報を渡せますが、ページを作られる友人や家族は同意していません。預けているのは自分の情報だけではない、という点がこの話の核心です。

生成AIと端末:Google、GeminiにMacの全ファイルを触らせる「追加サンドボックス設定」を試験

  • ブリーピングコンピューターは10月3日、GoogleがMac向けアプリ「Gemini Desktop」に、隠された「追加のサンドボックス設定」を用意していると報じました。テスティングカタログが見つけたもので、Googleは公式に認めておらず、提供時期も使うモデルも不明です。
  • 有効にすると、Geminiは利用者が明示的につないだフォルダーの外も含め、Mac上のどのファイルでも読み、作り、書き換え、消すことができるようになります。メール、Safari、メッセージといったアプリを通じて操作することも想定されています。
  • 隠し画面の説明には「設定によっては、Geminiが事前に許可を求めずに行動することがある」とあります。ただし、商品の購入、送金、オンラインアカウントの作成、利用者に代わる規約への同意、利用者の機微な情報の変更の前には確認を求めるとされています。
  • 前日10月2日には、AppleがAIエージェントの危険を理由に、Macの全データに触れる権限「フルディスクアクセス」の付与を厳しくすると表明したばかりです。OSを握るAppleが入り口を狭める一方で、AI企業は入り口を広げる方向へ製品を進めており、その綱引きの最前線に利用者のMacがあります。

生成AIとデータ:Anthropic、Claudeの音声会話を学習に使う許可を求め始める

  • AnthropicはClaudeの音声機能の利用者に、音声データをAIモデルの学習に使ってよいかを尋ね始めました。ブリーピングコンピューターが10月4日に報じています。
  • 表示される文面は「音声データを使ってAIモデルを改善させてください。録音と音声チャットのデータは、AnthropicのAIが話し言葉を理解し応答する力を高めます。設定でいつでもオフにし、削除できます」です。選択肢は「許可」と「今はしない」で、プライバシー設定にも専用の切り替えがあります。
  • この音声の設定は、既存の「チャットとコーディングのセッションを学習に使う」設定とは別になっています。音声だけ許可して文字のチャットやClaude Codeを除外することも、その逆もできます。報道が確認した画面では、初期設定はオフでした。
  • 声は、話の中身に加えて、話し方の癖や周囲の音まで含むデータです。初期設定をオフにして別の許可にしたことは、利用者が何を預けるかを細かく選べる設計として、Museの「まずつないでもらう」発想と対照的です。

生成AIと音楽:ナップスターのショーン・パーカー氏、Stability AIを「音楽家の道具屋」に作り替える

  • ナップスター共同創業者のショーン・パーカー氏が、Stability AIを音楽のプロ向けAIツールの会社へ作り替えていると、テッククランチが10月2日にジ・インフォメーションの取材をもとに報じました。
  • パーカー氏は2年前、浪費と内紛で創業者エマド・モスターク氏が退き、倒産寸前だったStability AIの8000万ドルの救済に加わりました。CEOには長年の友人プレム・アッカラジュ氏が就いています。
  • 8月下旬には、ソニー、ワーナー、ユニバーサルなどから7600万ドルの出資を受けると発表し、3社はその一環で自社のカタログを学習用にライセンスしました。その後、音声モデル3種とAI音楽編集ソフトを出しており、文章の指示から楽器だけの曲全体や短い断片を作れます。次の更新では、鼻歌でメロディーを、口でドラムのパターンを伝えて生成を導けるようにするといいます。
  • パーカー氏は、許可より先に謝る、という前回のやり方はうまくいかなかったと認め、今回はルールに従うと話しています。かつてレーベルと争った当事者が、レーベルの許可と資金を得て戻ってきたという構図です。学習データをめぐる訴訟が続く画像や文章の分野と比べ、音楽では権利者と組む形が先に固まりつつあります。

量子コンピュータ:元AWS量子責任者カッツグレーバー氏「近い将来の成果は最適化より材料シミュレーション」

  • ザ・クオンタム・インサイダーは10月3日、AWSで量子技術の応用研究チームを率い、それ以前はマイクロソフトにも在籍したヘルムート・カッツグレーバー氏へのインタビューを掲載しました。同氏は現在、デンマーク発の量子特化ベンチャーファンド「55North」のジェネラル・パートナーです。
  • 同氏は「量子が支配する場所で量子を使え」と述べ、近い将来から中期の量子装置が最初に成果を出すのは、量子力学的なシミュレーションが必要な材料、化学、医薬の分野だとしました。電池材料、有機EL、金属を含む錯体の薬など、電子が強く絡み合う物質は古典計算が苦手とする領域です。最適化については、以前から懐疑派、見方によっては「現実派」と呼ばれてきた立場を変えていません。
  • 55Northは1億3400万ユーロで最初の資金募集を締め、最大3億ユーロまで拡大できます。冷凍機のような共通部品や、物理量子ビットから論理量子ビットへ移る中で誰もが必要とする誤り訂正のソフトは、通常のベンチャーの期間で回収できる分野だと説明しました。
  • 欧州が米中と競えるかには「イエスでもありノーでもある。二つの答えの重ね合わせだ」と答え、人材と研究は一流だが、研究室から製品へ移す段階で人材や資金が漏れ出すと指摘しました。米国企業に投資する際は、輸出管理規制に触れないよう持ち分をごく小さく抑える必要があるとも明かしています。
  • 「問題から始め、その周りに製品を作れ」というのが同氏の助言です。汎用機の性能競争よりも、特定の物質の計算を狙い撃ちにする会社の方が近道だという見立ては、量子の実用化をめぐる投資の判断軸をはっきり示しています。

量子コンピュータ:チャタヌーガの商用量子会議、Synopsys×IonQで設計シミュレーションを最大14.6%短縮

  • 米テネシー州チャタヌーガで10月2日、地元の電力・通信事業者EPBの量子部門が主催する「クオンタム・イン・ビジネス」会議が開かれ、450人以上の経営者、研究者、行政関係者が集まりました。チャタヌーガは米国初の商用量子コンピューター・量子ネットワークの拠点を掲げています。
  • 設計ソフト大手SynopsysとIonQは、量子アルゴリズムを工学ソフトに組み込んだ結果を示しました。自動車やジェットエンジンの組立品など複雑なデジタルモデルで、古典と量子を組み合わせた手順を試し、すべてのモデルで実行時間を少なくとも5.9%、動的シミュレーションでは最大14.6%短縮したとしています。
  • カナダのNumanaは、ノキア・カナダ、Crypto4A、evolutionQと、量子計算機に耐える暗号の試験網「Kirq」で検証を行い、銀行、病院、政府機関などがネットワーク全体を入れ替えずに守りを固める枠組みを確かめたと報告しました。EPBの研究員は、IonQ、オークリッジ国立研究所、NVIDIAと組み、量子と大型計算機でEPBの送電網の一部を最適化する研究も進めています。
  • IonQとEPBは、バイオ・医療、保険、金融、自動車・製造、化学・材料、物流の6分野に分けた企業向けウェビナー「CQコネクト」を始めます。ヴァンダービルト大学はEPBと「量子イノベーション研究所」を設け、約250人の研究拠点にする計画です。
  • これらは主催者の発表に基づく数字で、比較した古典手法の条件は示されていません。5.9〜14.6%という控えめな幅は、カッツグレーバー氏の言う「誇大な最適化」ではなく、既存の工学ソフトの中で少しずつ時間を削る現実的な使い方の姿を示しています。

セキュリティ:中国系TA419、「Claudeの軍事統合へのご意見を」でAI政策の専門家を狙う

  • 米セキュリティ企業プルーフポイントは今週、中国と連携する諜報目的の攻撃者「TA419」が、米国のシンクタンク、大学、法律事務所で働くAI政策の専門家から認証情報を盗もうとしていると分析を公表しました。遅くとも2025年4月から、米国と日本の防衛、安全保障、外交分野を狙ってきた集団です。
  • 2026年2月には、著名な経済学者やAI政策担当者に加え、Anthropicの著名な社員になりすまし、米国のシンクタンクのAI政策専門家に「Claudeの軍事統合についてのご意見のお願い」という件名のメールを送りました。7月ごろには、ホワイトハウス科学技術政策局の元幹部にもなりすましています。
  • 手口は段階的です。最初は無害な依頼で信頼を築き、相手が返信して初めて短縮URLを送ります。転送を何段も重ね、クラウドフレアの人間確認を通過させたうえで、OneDriveを装った「中間者型」の偽ログイン画面へ誘導します。オープンソースの道具に独自の監視・自動化機能を加え、マイクロソフトのサインインの流れを追跡しながら、裏で本物のマイクロソフトに情報を中継して認証情報を奪います。
  • 中間者型の手口は、利用者と本物のサイトの間に入り込むため、パスワードと確認コードの組み合わせでも破られます。プルーフポイントは、パスキーのようなフィッシングに強い認証を有効にし、専門分野についての突然の依頼は真偽を確かめるよう勧めています。
  • 同社は、米中が技術の輸出規制やモデルの「蒸留」疑惑で対立する中、米国のAI政策の動きを探る中国の情報収集を支える活動とみています。AIの規制を議論する人々そのものが、諜報の標的になっています。

セキュリティ:ShinyHuntersの「Rey」、ヨルダンで拘束されFBIに協力

  • ロイター通信によると、恐喝集団ShinyHuntersの一員とされる「Rey」こと、サイフ・アッディーン・ハーディル容疑者が9月29日にヨルダン当局に拘束され、米連邦捜査局(FBI)に協力して他のメンバーの特定を進めているとされます。ザ・ハッカー・ニュースが10月4日に伝えました。
  • Reyは、セキュリティ記者ブライアン・クレブス氏が2025年11月、Scattered Spider、LAPSUS$、ShinyHuntersの合体とされる「Scattered LAPSUS$ Hunters」の管理者3人の一人と報じた人物です。ランサムウェア集団Hellcatのリークサイトや、犯罪フォーラムBreachForumsの管理者も務めたとされ、2025年6月から当局に協力していると本人がクレブス氏に話していました。
  • 先週はアムステルダムで24歳の男が関与の疑いで逮捕され、FBIのカシュ・パテル長官は「さらなる逮捕もあり得る」と投稿しました。FBIのブレット・レザーマン副部長は、この人物と共犯者が昨年以降140以上の組織に侵入し、少なくとも7000万ドルの恐喝金を得たと述べました。クラウド上の外部委託先を狙い、データを盗んで公開すると脅す手口です。
  • ShinyHuntersは最近、FBIの採用応募サイトから約3テラバイトを盗んだとされています。研究者は、2020年に生まれたこの名前を「創設者より長生きした、一つのブランドでありビジネスモデルだ」と評しており、逮捕が続いても名前を引き継ぐ者が現れる構造が続いています。

セキュリティ:Warlock、SharePointの古い穴から水道・通信事業者にランサムウェア

  • ブロードコム傘下のシマンテックとカーボンブラックの脅威調査チームは、中国との関連が疑われる攻撃者「Warlock」(別名Storm-2603、Longlegs)が、社内設置型のMicrosoft SharePoint Serverの脆弱性を使い続けていると報告しました。ザ・ハッカー・ニュースが10月3日に伝えています。
  • 過去2か月で少なくとも4組織が被害を受け、水道事業者と通信事業者という重要インフラ2社、地方政府機関、大学が含まれます。被害者はポルトガル語圏とスペイン語圏で、欧州、アフリカ、中南米に広がっています。
  • Warlockは2025年夏、SharePointのゼロデイ「ToolShell」(CVE-2025-53770、CVSS 9.8)の悪用で知られるようになりました。今回は、ウェブシェルでSharePointの暗号鍵「マシンキー」を盗み、正しく署名された偽のデータを作って任意のコードを実行します。2026年7月22日の侵入でも同じ流れが確認されました。
  • 防御ソフトを止めるため、正規だが脆弱なドライバー「K7RKScan.sys」(CVE-2025-1055)を持ち込む手口も使います。ある重要インフラでは、約2時間で40台以上の防御ソフトを止め、ドメインの共有フォルダーに置いたランサムウェアを、通常の複製の仕組みに乗せて33台以上へ配りました。
  • 研究者は「ランサムウェアが知られてから1年以上たっても、修正や緩和をしていないSharePointでは、ToolShellなどが今も有効な侵入口だ」と述べています。マシンキーを盗まれた場合は、修正を当てるだけでなく鍵の入れ替えまで行わないと、偽造は続けられます。

セキュリティ:デンマーク工科大学、ID管理システムから最大20万人の情報流出

  • デンマーク工科大学(DTU)は10月2日、攻撃者が盗まれた認証情報で同大学のID・アクセス管理システム「DTUBasen」にログインし、大量のデータをダウンロードしたと公表しました。影響は最大20万人に及ぶ可能性があります。
  • DTUBasenには現役の利用者約4万人と、過去の利用者約16万人の情報があり、20年以上分のデータが入っています。現役の利用者については、デンマークの個人番号(CPR番号)、氏名、自宅住所、顔写真、職場のメール、役職、勤務場所、さらに登録されていれば緊急連絡先の家族の氏名、続柄、電話番号が含まれます。
  • 大学は、何が持ち出され何人が影響を受けたかを「正確には特定できない」としています。ビャルケ・バク・クリステンセン大学事務局長は「DTUへの深刻な攻撃であり、不安を与えていることを深くおわびする」と述べました。
  • 2003年以降に職員、学生、客員、外部協力者だった人は誰でも影響を受けた可能性があるとし、公的な電子私書箱「e-Boks」で通知するほか、直接連絡できない人に向けて公表を広めるよう呼びかけています。大学に関わったことを知っている相手からのメール、ショートメッセージ、電話に注意するよう求めています。
  • 本人が預けた情報だけでなく、緊急連絡先として名前を書かれた家族の情報まで流出し得る点は、Museの「人物ページ」と同じ構図です。

セキュリティ:ICE、抗議の監視者の写真をPalantir製データベースに登録

  • ワイアードは10月2日、一部の秘密指定が解かれた裁判資料をもとに、米国土安全保障省(DHS)の捜査官が、移民・関税執行局(ICE)の摘発を見守る市民の写真や車のナンバーを、Palantirが構築した「捜査案件管理(ICM)」データベースに登録していたと報じました。
  • 舞台は2026年1月にメイン州で行われた移民摘発作戦「本日の獲物作戦」です。資料によれば「J.C.捜査官」は少なくとも6人、政府側の数では8人について記録を作り、ホームセンターの駐車場で撮影した2人に「法執行への脅威、職業的抗議者」とラベルを付け、税関・国境警備局の職員に顔認識アプリ「モバイル・クエリー」での照合を頼みました。
  • 1月20日に逮捕の様子を少し見て写真を撮った市民について、捜査官は配偶者の車のナンバーから所有者を調べ、その日の午後に電話をかけて「国内テロの監視リストに載るかもしれない」と告げたとされます。政府側は監視リストへの言及を否定しています。ICMの記録は国境で旅行者を審査する仕組みに自動で共有され、ある監視者は少なくとも2027年1月まで、国境を越えるたびに二次検査へ回される扱いになっていました。
  • ICEは2014年にPalantirとICM構築の契約を結び、2022年には最大約9600万ドルの5年契約、2025年には新基盤「イミグレーションOS」のために約3000万ドルを追加しています。DHSの報道官は訴訟を「根拠がない」とし、Palantirはコメントに応じていません。
  • ICEの前長官代行は4月、議員への書簡で「ICEの活動に抗議する米国市民のデータベースは持っていない」と書いていました。専用の名簿を作らなくても、既存の捜査システムに一件ずつ記録を足せば同じ働きをする、という点が問われています。

まとめ:預けたものの行方

  • 生成AIでは、安全報告書を書いてきた当事者が会社の外から変化を求め、Amazonは土地と水と電気を預ける地域に10億ドルと透明性を差し出しました。MuseやGeminiは私たちの人間関係やファイルを丸ごと預かろうとし、Anthropicは声を預けるかどうかを別の許可として尋ねました。音楽では、権利者が自らカタログを預ける形でAIと組み始めています。
  • 量子では、投資家が「材料の計算」に的を絞り、実際の工学ソフトでは数%から十数%の時間短縮という地に足のついた数字が示されました。
  • セキュリティでは、パスワード、暗号鍵、大学に預けた個人番号と家族の連絡先、街で撮られた顔写真が、それぞれ別の誰かの手に渡りました。今日の共通点は、預けた本人だけでなく、名前を書かれただけの周りの人まで、その行方に巻き込まれるということです。

参考ソース


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音声合成: VOICEVOX / キャラクター: ずんだもん ・ 四国めたん