テレモト家のいとこ、マヌエル・バレンシアとマリア・テレモト、1875年創業カサ・フェレール、アルゼンチン帰りのミロンガ【2026/10/29】

2026-10-29 / スペイン便り


概要

「受け継ぐ家」の回です。ギタリスト列伝は、テレモト・デ・ヘレスの甥の子として叔父フェルナンド・テレモトに習い、ヘラルド・ヌニェスのもとで舞台を学んだヘレスのマヌエル・バレンシア。販売店ソレラ・フラメンカの試奏映像で弾いた1976年製ゲルンディーノ・フェルナンデスも紹介します。カンテ列伝は、9歳で父フェルナンドの最後の舞台に立ち、史上最年少でヒラルディージョ・レベラシオンを受け、ジェライ・コルテス制作の『Manifiesto』でパロと主題を重ねたいとこのマリア・テレモト。バイレ列伝は、母を失った4月を詩で踊った『Abril』と、2023年ロルカ賞の『Insaciable』のルシア・アルバレス「ラ・ピニョーナ」。工房だよりは、1875年にベニート・フェレールが開いたグラナダ派の源流カサ・フェレールと、4代目エドゥアルド・ドゥラン・フェレール。パロ解説は、ペパ・オロがアルゼンチンから持ち帰った4拍子・短調のミロンガです。一般ニュースは、ECB総裁選びとスペイン人初の総裁の可能性、トレド県ウルダの高速列車衝突、ビラ=マタスの国民文学賞。今日のスペイン語は「ロ・ケ・セ・エレダ、ノ・セ・ウルタ(受け継いだものは盗んだものではない)」。

▼ 今日のトピック ・ラガルドECB総裁が2月7日に早期退任、エルナンデス・デ・コスが本命に ・トレド県ウルダでAVEとイリョが衝突、少なくとも68人死亡 ・エンリケ・ビラ=マタス、2026年国民文学賞 ・トマティートに「フラメンコの伝説」賞/ウトレーラ「エル・モスタチョン」がリケーニに捧げる/トレントで3夜のフラメンコ祭 ・ギター列伝: マヌエル・バレンシア ・バイレ列伝: ルシア・アルバレス「ラ・ピニョーナ」 ・カンテ列伝: マリア・テレモト ・工房だより: カサ・フェレール(グラナダ) ・パロ解説: ミロンガ

▼ 関連リンク(アーティスト・パロ・工房) ・マヌエル・バレンシア『Gandinga(ブレリア・ポル・ソレア)』(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=1j2rmWAs5TM ・マヌエル・バレンシア『Neferet(ブレリア)』ヘレス・フェスティバル(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=TR7JKzHotws ・マヌエル・バレンシア ft. ダビ・カルピオ『Rentoy』(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=M9kmbFG-kCQ ・マヌエル・バレンシア、1976年製ゲルンディーノ・フェルナンデスを弾く(ソレラ・フラメンカ公式) https://www.youtube.com/watch?v=9VEdgg07x64 ・ソブレメサ・フラメンカ #17 マヌエル・バレンシア(ブスカドーレス・フラメンコス) https://www.youtube.com/watch?v=qeMoOQhuvL4 ・ラ・ピニョーナ『Abril』2020年(アンダルシア・フラメンコ放送公式) https://www.youtube.com/watch?v=SMZaBgjPpEM ・ラ・ピニョーナ『Insaciable』セビリア・ビエナル(デフラメンコTV公式) https://www.youtube.com/watch?v=F88rExTV5dk ・ラ・ピニョーナ『Emovere』(カナル・スル公式) https://www.youtube.com/watch?v=W3XEYEWMqAc ・マリア・テレモト『Murmuraorx(アレグリアス)』(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=641VxdXoGYs ・マリア・テレモト『A La Muerte(ロマンセ)』(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=dBc66B3qLes ・マリア・テレモト『Miraíta(ルンバ)』(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=OSb7Yi78WqU ・ニーニョ・マルチェナ、ラモン・モントーヤ『La Rosa(ミロンガ)』(フラメンコ・マスターズ) https://www.youtube.com/watch?v=h0CzEl0Hslo ・サビーカス『Milonga Flamenca』(配信元公式) https://www.youtube.com/watch?v=B3v-et155u0 ・ホセ・マリアス『Milonga』2021年(アンダルシア・フラメンコ放送公式) https://www.youtube.com/watch?v=BkZToQnk3n0 ・ギジェルモ・カノ『Milonga』2011年(アンダルシア・フラメンコ放送公式) https://www.youtube.com/watch?v=3NzCK9MbFW4 ・カサ・フェレール(グラナダ、プラノマト記事) https://www.planomato.com/es/granada/n/guitarreria-casa-ferrer ・エドゥアルド・ドゥラン・フェレール インタビュー(カズ・スワ) https://www.kazu-classicalguitar.co.uk/kazu-suwa-guitar/compendium/luthiers/spain/eduardo-duran-ferrer

▼ 参考記事・ソース ・El Mundo「Christine Lagarde abandonará la presidencia del BCE el próximo 7 de febrero…」 https://www.elmundo.es/economia/dinero-inversion/2026/10/29/6ae31ae8e4d4d8a0548b459c.html ・El País「Los 17 minutos en los que nadie en el centro de control vio que el AVE se dirigía a un choque brutal con el Iryo」 https://elpais.com/espana/2026-10-28/por-que-han-chocado-dos-trenes-en-toledo.html ・La Prensa「¿Qué se sabe del choque de trenes en Toledo…?」 https://www.laprensa.hn/fotogalerias/mundo/ave-choque-trenes-toledo-muertos-victimas-adif-urda-ED32464101 ・Ara「Enrique Vila-Matas wins the National Prize for Spanish Letters」 https://en.ara.cat/culture/enrique-vila-matas-wins-the-national-prize-for-spanish-letters_1_5891910.html ・Revista La Flamenca「San Fernando entrega su XIV Premio Leyenda del Flamenco a Tomatito」 https://www.revistalaflamenca.com/san-fernando-entrega-su-xiv-premio-leyenda-del-flamenco-a-tomatito/ ・Utrera al día「El XLII Festival Flamenco El Mostachón que rinde homenaje a Rafael Riqueni…」 https://utreraaldia.com/el-xlii-festival-flamenco-el-mostachon-que-rinde-homenaje-a-rafael-riqueni-inicia-este-2-de-noviembre/ ・Valencia News「L’Auditori de Torrent reúne a Argentina, La Lupi, Chano Domínguez y Antonio Reyes…」 https://valencianews.es/comarcas/lauditori-de-torrent-reune-a-argentina-la-lupi-chano-dominguez-y-antonio-reyes-en-su-festival-flamenco/

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スペイン文化・フラメンコ便り(2026年10月29日)

オープニング:2026年10月29日 — スペイン文化・フラメンコ便り

  • 今日のスペイン語は「ロ・ケ・セ・エレダ、ノ・セ・ウルタ(Lo que se hereda no se hurta)」。直訳は「受け継いだものは盗んだものではない」。親に似た才能や癖を、からかい半分にほめるときのことわざである。
  • 今日の軸は「受け継ぐ家」。ギタリスト列伝はテレモト家の甥としてヘレスに育ったマヌエル・バレンシア、カンテ列伝はその叔父フェルナンド・テレモトの娘マリア・テレモト。バイレ列伝はカディス県ヒメナ・デ・ラ・フロンテーラ出身のルシア・アルバレス「ラ・ピニョーナ」。工房だよりは1875年創業、グラナダ派の源流カサ・フェレール。パロ解説は、アルゼンチンから戻ってきた歌、ミロンガ。
  • 前日10月28日の朝、トレド県ウルダで高速列車どうしが衝突し、多くの人が亡くなった。犠牲者に哀悼の意を表したい。

国際情勢(スペイン視点)

  • ラガルド総裁の早期退任、スペイン人初の欧州中央銀行総裁へ道: 欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁が10月29日、任期満了(2027年10月31日)より8か月早い2027年2月7日に退任すると表明した。エル・ムンド紙によると、フランスの政治の混乱が決断に影響したとされ、本人は「一人の欧州市民として自由に意見を言う」ために職を離れるという。後任は12月に決まる見通しで、同紙は元スペイン銀行総裁パブロ・エルナンデス・デ・コスを本命に挙げ、オランダのクノットと争う構図だと伝える。実現すれば、ECB創設から28年で初のスペイン人総裁になる。ただし、11月29日の総選挙を前にしたスペインの政権移行期が不利に働くとも指摘した。EUへの信頼が厚いスペインにとって、欧州の通貨の舵取りを担う人事は国内の関心事でもある。

スペイン国内ニュース

  • ウルダで高速列車が衝突、少なくとも68人死亡: 10月28日(水)午前8時53分ごろ、マドリード〜セビリア高速線のトレド県ウルダ駅付近で、レンフェのAVEが、停車していた民間会社イリョの列車に後ろから衝突した。カスティーリャ=ラ・マンチャ州のガルシア=パヘ首相は少なくとも68人が死亡、50人以上が重傷と発表した(数字は暫定)。報道によると、8時30分ごろにこの路線だけが使う古い列車制御装置LZBが故障し、8時36分、鉄道インフラ会社アディフの管制がAVEの運転再開を許可した。前方にはイリョが止まり、ウルダ駅の入口の信号は赤だった。AVEは再出発から約17分で25キロ進み、衝突した。プエンテ運輸相は許可を「説明がつかない」「明らかな誤り」と述べた。エル・パイス紙は、管制で誰もAVEが衝突へ向かっていることに気づかなかった17分間を検証している。レンフェはセビリアとコルドバの駅に家族の支援窓口を設け、イベリア航空はアンダルシア発着便の上限を99ユーロにした。マドリードとアンダルシアを結ぶ大動脈が止まったことになる。

文化・芸能ニュース

  • エンリケ・ビラ=マタス、国民文学賞: 文化省は10月27日、2026年の国民文学賞(賞金5万ユーロ)を、1948年バルセロナ生まれの作家エンリケ・ビラ=マタスに贈ると発表した。審査員は「現代の物語への決定的な影響」と、セルバンテス以来のメタフィクション(物語についての物語)の精神への忠実さを挙げ、「分類できない、驚かせる作家」と評した。代表作は、書けなくなった作家たちを集めた『バートルビーと仲間たち』、若き日のパリを描いた『パリはけっして終わらない』(2003年)、『ドゥブリネスカ』(2010年)など。約30冊の本が30以上の言語に訳され、ここ2年はノーベル文学賞の予想にも名前が挙がってきた。受賞後には「書くことは楽しむこと。文学は退屈しないためにある」と語った(エル・ムンド紙)。バルセロナに住み、スペイン語で書くカタルーニャ人作家である。

フラメンコニュース

  • トマティートに「フラメンコの伝説」賞、カマロンの町サン・フェルナンドで: カディス県サン・フェルナンドの老舗ベンタ・デ・バルガスと団体「フラメンコ・デ・ラ・イスラ」は、第14回「レジェンダ・デル・フラメンコ(フラメンコの伝説)」賞をアルメリアのギタリスト、トマティートに贈ると発表した(ラ・フラメンカ誌、10月29日)。授与は11月13日19時、カマロン・デ・ラ・イスラゆかりのベンタ・デ・バルガスで。トマティートは18年間カマロンの伴奏者だった。12日は五重奏団での公演(レアル・テアトロ・デ・ラス・コルテス)、13日昼はカマロン記念館での公開対談、14日は踊り手マカレナ・ラミレスの『Espina』。過去の受賞者には、ランカピーノ、フォスフォリート、パコ・セペロ、カルメン・リナレス、ホセ・メルセ、アントニオ・カナレスらが並ぶ。11月16日の「フラメンコの日」に合わせたアンダルシアの行事でもある。
  • ウトレーラの「エル・モスタチョン」、ラファエル・リケーニに捧げる: セビリア県ウトレーラのペーニャ「クーロ・デ・ウトレーラ」が主催する第42回フラメンコ祭「エル・モスタチョン」が11月2日に始まる(ウトレーラ・アル・ディア、10月29日)。今年は1962年8月16日セビリア生まれのギタリスト、ラファエル・リケーニ(9月12日・26日のギタリスト列伝)への敬意を掲げる。毎回12時30分開演で、2日はホセ・バレンシア(ギター、フアン・レケーナ)、8日はビルヒニア・ガメス(ギター、アルバロ・モラ)、15日はエル・トゥリー、22日はルシア・ラ・ブロンセとその一座が、市立エンリケ・デ・ラ・クアドラ劇場で締める。モスタチョンはウトレーラ名物の焼き菓子の名で、菓子の名を冠した祭りが42回続いている。
  • バレンシア州トレントで3夜のフラメンコ祭: バレンシア州トレントの劇場ラウディトリで、10月30日から11月1日まで3夜のフラメンコ祭が開かれる(バレンシア・ニュース、10月29日)。30日は歌のアルヘンティーナが『Flamenco por cantaora』で、ソレア、アレグリアス、シギリージャ、マリアーナ、ベルディアーレス、ロマンセ、ブレリア、タンゴを歌い分ける。31日は10月22日のバイレ列伝ラ・ルピの『Estado de baile』で、祝祭、孤独、強さ、自由という感情の状態を踊る。11月1日は、ピアノのチャノ・ドミンゲスと、10月14日のカンテ列伝アントニオ・レジェスが、カディスのフラメンコをジャズの編曲で聴かせる。アンダルシアの外、地中海側の町がフラメンコを3夜まとめて組む点に、この芸能の広がりが見える。

フラメンコギタリスト列伝

  • 今日の一人はマヌエル・バレンシア(Manuel Valencia)。ヘレス・デ・ラ・フロンテーラのギタリストで、インスティトゥト・セルバンテス・ロンドンの紹介では1984年生まれ。ハリウッド・ボウルなどの公式プロフィールによると、9月24日のカンテ列伝テレモト・デ・ヘレスの甥の子で、その息子フェルナンド・テレモトの甥、父はパルマ(手拍子)の名手ディエゴ・バレンシア「ティオ・カベロ」。最初の、そして最も大切な師は叔父フェルナンドだった。ワールド・ミュージック・セントラルの紹介では「両親とも、ヒターノ(スペインのロマ)の家」と自ら語っている。
  • 転機1(若い頃のコンクールとヘラルド・ヌニェス): ヘレスのペーニャ「ロス・セルニカロス」の国際ギター・コンクールや、コルドバのクリスティーナ・ヘーレン財団の伴奏ギター・コンクールに出て腕を磨いた。決定的な一歩は、9月17日のギタリスト列伝ヘラルド・ヌニェスとの出会いで、欧州ツアーに同行し、2009年のヘレス・フェスティバルでは第2ギターに選ばれた。翌2010年には同じフェスティバルで独奏した。
  • 転機2(2014〜2016年、ヒラルディージョ・レベラシオンと初アルバム): 2014年、ラ・ミステラ・フラメンコ祭の「ベネンシア・フラメンカ」(ギター部門)を受け、セビリア・ビエナルでは独奏して新人賞にあたる「ヒラルディージョ・レベラシオン」を受けた。2016年に初アルバム『Entre mis manos(私の手の中で)』を出し、ビエナルのサンタ・クララで発表した。デフラメンコ誌のサラ・アルギホは「彼のギターは歌い手だ」「落ち着いていて、深くフラメンコ」と書いた。この夜は、ブレリアに踊り手パストーラ・ガルバン、マラゲーニャに歌い手フアン・ホセ・アマドールを招き、ミネラ風のファンダンゴ『Velo en flor』ではベルナルド・パリージャのバイオリンと重ねた。
  • 転機3(2018〜2025年、作曲家として、制作者として): 2018年にクルスカンポ財団の「ヌエボ・コンパス」賞とヘレス・フェスティバルの「魂のあるギター」賞、2023年に同フェスティバルの最優秀オリジナル作曲賞、2024年に著作権協会SGAEの「パコ・デ・ルシア」フラメンコ賞を受けた。2021年には歌い手フェリパ・デル・モレーノの舞台を初めて制作し、2025年にはヘレスのティオ・ペペ・フェスティバルで『Territorio Jerez(ヘレスという領土)』を手がけた。
  • 使っているギター(1976年のゲルンディーノ・フェルナンデス): マドリードの販売店ソレラ・フラメンカの公式映像『Gerundino Fernández 1976 flamenco guitar for sale played by Manuel Valencia』で、バレンシアはアルメリアの製作家ゲルンディーノ・フェルナンデス(1931〜2006年)が1976年に作った1本を弾いている。ゲルンディーノは、8月2日・26日、9月4日・5日の工房だよりで取り上げた工房の創業者である。同じ店は1976年製ゲルンディーノを何本も扱っており、表面板はドイツ松のもの、カナダ杉で弦長655ミリのものがあった。1976年製のゲルンディーノは、2004年のクリスティーズ競売でエリック・クラプトンの旧蔵品が1万6,730ドルで落札されたことでも知られる。この映像は店の楽器の試奏であり、本人が長年の愛用器として語った資料ではない。古いアルメリアのギターの、乾いて短く切れる音で、ヘレスの右手がどう鳴るかを聴ける。
  • 代表作1(ブレリア・ポル・ソレア): 本人公式の『Manuel Valencia. Gandinga (Bulería por soleá) Tutorial 1 de 3』は、『Entre mis manos』に入れたブレリア・ポル・ソレア『Gandinga』を本人が弾いて解説する映像。10月25日のパロ解説で数えた、ソレアの重さを保ったまま前へ進む12拍を、作曲者自身の手で確かめられる。
  • 代表作2(ブレリア): 本人公式の『Manuel Valencia, Buleria 'Neferet'. Festival de Jerez』。ヘレス・フェスティバルでのブレリアで、手拍子と打楽器が刻む12拍の上で、ギターが旋律を「歌わせる」場面に注目したい。アルギホの「彼のギターは歌い手だ」という評は、こうした旋律の扱いを指している。
  • 代表作3(歌と組む): 本人公式の『Manuel Valencia ft. David Carpio. Las tr3s orillas, capítulo 3: RENTOY』。プロジェクト『Las tres orillas(三つの岸)』の第3章で、曲も詞もバレンシア自身が書いたブレリアを、ヘレスの歌い手ダビ・カルピオが歌う。ワールド・ミュージック・セントラルは、この企画を「自分の変化と、進む方向の転換」を見つめたものと紹介する。
  • 技法と比較: 批評家からは「ヘレスの新しいギター」の代表と見なされている。同じヘレスでも、10月14日のアルフレド・ラゴスがイスラエル・ガルバンの舞台の「室内楽奏者」として作曲へ向かい、10月16日のサンティアゴ・ララが独奏の構成力で聴かせたのに対し、バレンシアは、2016年の批評が書いたとおり、アレグリアスのかき鳴らしを「フリルいっぱいのドレスの裾を持ち上げるよう」に軽く扱い、シギリージャでは「ボデガ(酒蔵)のように湿った」簡素な音を選ぶ。和声の新しさより、歌い手のそばで鍛えた節回しの感覚が前に出る。
  • 歌い手・踊り手との関係: 伴奏した歌い手は、ラ・マカニータ、ヘスス・メンデス(10月19日のカンテ列伝)、マヌエル・アグヘタス、ビセンテ・ソト「ソルデーラ」、フアナ・ラ・デル・ピパ、ホセ・メルセ。踊りでは、ファルキート、マリア・デル・マル・モレノ、マヌエル・リニャン、ロシオ・モリーナを支えた。マヌエル・モラオの一座の『Tierra Cantaora(歌の大地)』や、パリでのアンダルシア王立馬術学校の公演にも加わった。
  • 本人の言葉: フラメンコの対談番組「ソブレメサ・フラメンカ」第17回の題は「モライートとテレモトのために、僕はギターを弾く」。9月19日・10月5日のギタリスト列伝モライート・チコと、叔父フェルナンド・テレモトの二人を、自分の原点に置いている。
  • いま: 2026年1月22日、オーストラリア西部パースのクオリー円形劇場で、地元の舞踊団アイレ・フラメンコの公演の主役として弾いた。
  • 位置づけと入り方: テレモト家の歌を家の中で聴き、モライートのヘレスの右手を受け継ぎ、ヘラルド・ヌニェスのもとで舞台を学んだ世代である。まず『Gandinga』でブレリア・ポル・ソレアの12拍を、次に『Rentoy』で歌い手と組む作曲家の顔を聴くとよい。今日のカンテ列伝マリア・テレモトは、叔父フェルナンドの娘、つまりバレンシアのいとこにあたる。

フラメンコバイレ列伝

  • 今日の一人はルシア・アルバレス「ラ・ピニョーナ」(Lucía Álvarez 'La Piñona')。2020年セビリア・ビエナルの公式資料によると、カディス県のジブラルタル湾岸地方、ヒメナ・デ・ラ・フロンテーラの生まれ。子どものころ地元の舞踊学校で踊り始め、17歳でグラナダへ、その1年後にセビリアへ移り、クリスティーナ・ヘーレン財団でミラグロス・メンヒバル、ラファエル・カンパージョ、カルメン・レデスマに学んだ。エバ・ジェルバブエナ、ルベン・オルモ、10月16日のバイレ列伝アンドレス・マリンにも習っている。
  • 転機1(タブラオから2011年のデスプランテへ): セビリアのタブラオ「エル・アレナル」「ロス・ガジョス」で踊り始め、バルセロナの「エル・コルドベス」、マドリードの「コラル・デ・ラ・モレリア」「ビジャロサ」へ進んだ。2009年にセビリア・フラメンコ団体連合の第1位、2011年にはラ・ウニオンの第51回カンテ・デ・ラス・ミナス祭で、踊りの最高賞「デスプランテ」を受けた。
  • 転機2(2012〜2019年、自作の舞台): その後、アンダルシア・フラメンコ・バレエ団の『Tierra Lorca』でグラナダのヘネラリフェに第一舞踊手として立った。2012年に『Un granito de arena(一粒の砂)』でヘレス・フェスティバルの独舞デビュー、2018年の『Emovere』ではマックス賞の最優秀女性舞踊家の候補、ロルカ賞の2部門の候補になった。2019年の『Recital』は、フランスのトゥールーズで初演し、のちにマドリードのテアトロ・レアルでも上演した。
  • 転機3(2020年『Abril』、母を失った月): 2020年9月20日、ビエナルのテアトロ・セントラルで『Abril(4月)』を初演した。演出は、イスラエル・ガルバンの舞台を手がけてきたペドロ・G・ロメロ、音楽監督とギターは10月14日のギタリスト列伝アルフレド・ラゴス。セビリアの詩人フアン・マヌエル・フローレスの未発表の詩だけを歌詞にし、歌はペペ・デ・プーラ、キーボードとドラム、3人の女声が加わった。題は、T・S・エリオットの『荒地』の「4月は最も残酷な月」と、母が亡くなった月から取った。本人はデフラメンコ誌に「母の生と死と和解するため」の作品で、「持っていたものを全部蹴飛ばして、ゼロから始めたかった」と語った。それでも中身はソレア、アレグリアス、タラント、シギリージャと、かなりフラメンコだという。
  • 転機4(2022年『Insaciable』、2023年ロルカ賞): 2022年9月21日、ビエナルで『Insaciable(飽くことのない)』を初演した。演出と振付は踊り手ラファエル・エステベスとバレリアーノ・パニョス。歌はマティアス・ロペス「エル・マティ」、ヘスス・コルバチョ、ホセ「エル・ペチュギータ」、ギターはラモン・アマドールで、踊り手ジョナタン・ミロと何曲も組んで踊る。出発点は詩人ルイス・セルヌダの詩「言葉を言わなかった」で、舞台装置も筋書きもない。本人は「これまでで一番ピニョーナらしく、自分が誰か分かっている」と語った。この作品で2023年のロルカ賞・最優秀女性フラメンコ舞踊家を受けた。
  • 代表作1: アンダルシアのフラメンコ放送チャンネル公式の『Abril, espectáculo de la bailaora Lucía La Piñona. 2020』。ロックの響きを含むラゴスの音楽の上で、彼女の足技(サパテアード)がソレアやシギリージャの古い型にどう戻ってくるかを見たい。
  • 代表作2: デフラメンコTV公式の『Lucía La Piñona 'Insaciable' La Bienal de Flamenco de Sevilla』。装置のない舞台で、体の反応そのものを見せる作品で、ジョナタン・ミロとの組み踊りでの腕の動き(ブラソ)と体の傾け方に注目したい。
  • 代表作3: カナル・スル公式の『" Emovere" de la bailaora Lucía Álvarez "La Piñona"』。マックス賞の候補になった2018年の作品で、『Abril』以前の、型を正面から踊る彼女と見比べられる。
  • 技法と比較: 本人は自分を「いまの時代の、違う手段を持つ踊り手」と呼ぶ。10月23日のアナ・モラレス(『Abril』では1曲の振付を担当)が演出と振付で舞台を組み、10月16日のアンドレス・マリンが「沈黙とミニマリズム」で踊るのに対し、彼女は毎回、詩人(フローレス、セルヌダ)を出発点に置き、歌詞と体を結びつける。
  • いま: 2025年2月24日、ヘレス・フェスティバルで、デフラメンコ誌の批評家サラ・アルギホと共同演出した「踊りのコンサート」『Lucía, en vivo』を初演した。2026年2月21〜22日には同フェスティバルでシギリージャの講習を受け持ち、12月10日にはフランス南西部モントーバンのエスパス・レ・ゾーギュスタンで踊る予定。
  • 位置づけと入り方: ジブラルタル湾岸の町からタブラオを経て、デスプランテとロルカ賞へ進んだ、型と詩の両方を持つ踊り手である。まず『Emovere』で型を、次に『Abril』で詩と母の記憶を、最後に『Insaciable』で装置のない体を見ると、10年の変化がつながる。

フラメンコカンテ列伝

  • 今日の一人はマリア・テレモト(María Terremoto)。ヘレスの歌い手で、父はフェルナンド・テレモト、祖父は9月24日のカンテ列伝テレモト・デ・ヘレス。2022年のセビリア・ビエナルの資料によると、幼いころ、家では夜通し父とヘレスの名人たちが語り合い、その声を聞いて育った。家族と一緒に、クリスマスの集い「サンボンバ」で歌っていた。
  • 転機1(9歳、父から渡されたバトン): 9歳のとき、父フェルナンドに呼ばれ、父の名を冠したペーニャの舞台に上がった。資料は、この日、父が意図せず娘に芸を渡し、それが父の最後の舞台になったと書く。2014年半ば、14歳でヘレスのペーニャに時折出るようになり、2015年には、ファルーコ一族の若い踊り手エル・カルペタの舞台で歌った。
  • 転機2(2016〜2017年、史上最年少のヒラルディージョ): 2016年、ヘレス・フェスティバルの独唱で、その年齢では例のない絶賛を受けた。同じ年、ミゲル・ポベダがバルセロナのリセウ劇場で開き、スペイン国営テレビが中継したガラに招かれた。そして2016年のセビリア・ビエナルで、史上最年少で「ヒラルディージョ・レベラシオン」を受け、翌2017年には「ベネンシア・フラメンカ」も受けた。いとこのマヌエル・バレンシアがヒラルディージョ・レベラシオンを受けた2年後のことである。
  • 転機3(2018〜2022年、録音と舞台): 2018年9月に初アルバム『La huella de mi sentío(私の感じ方の足跡)』を出し、スペイン、欧州、米国を回った。2020年のビエナルでは、詩人ベッケルの没後150年に合わせた『Poesía eres tú(詩とは君のこと)』、2021年のマドリードのスマ・フラメンカでは、一族の歌をたどる『Terremoto, un siglo de cante(テレモト、歌の一世紀)』を上演し、2022年にヘレス・フェスティバルへ持っていった。
  • 転機4(2025年『Manifiesto』): 2025年1月31日、ユニバーサル・ミュージック・スペインから2枚目『Manifiesto(宣言)』を出した。1月17日にフランスのニームで先行披露し、2月1日にヘレスのビジャマルタ劇場で正式に発表した。制作は10月13日のギタリスト列伝ジェライ・コルテス、ギターはノノ・ヘロ、手拍子と打楽器はマヌエル・カンタローテとフアン・ディエゴ・バレンシア。客演にディアナ・ナバロ、ペドロ・エル・グラナイーノ、ラウラ・ガジェゴ、10月3日のギタリスト列伝ディエゴ・デル・モラオらが並ぶ。エクスポフラメンコは、多くの人が2025年のフラメンコで最も重要なアルバムと見なす作品だと書いた。
  • 代表作1: 本人公式の『María Terremoto - Murmuraorx (Alegrías, Resiliencia / Visualizer)』。『Manifiesto』の曲は、題の後ろに「パロ、テーマ」を並べる。これはアレグリアスに「回復する力」を重ねた1曲で、長調のアレグリアスの明るい節回しの中に、彼女がどんな言葉を置いたかを聴きたい。
  • 代表作2: 本人公式の『María Terremoto - A La Muerte (Romance, Soledad / Visualizer)』。古い物語歌ロマンセに「孤独」を重ねた曲で、9歳で父の最後の舞台に立った歌い手が「死に」と題した歌を歌う。拍に縛られにくいロマンセで、言葉を一つずつ置く声の運びに注目したい。
  • 代表作3: 本人公式の『María Terremoto - Miraíta (Rumba, Libertad)』。ルンバに「自由」を重ねた曲で、10月18日のパロ解説で扱ったルンバの軽い4拍の上で、ヘレスの節回しがどう崩れずに乗るかを聴ける。
  • 本人の言葉と比較: デフラメンコ誌のインタビューの見出しは「ペテネーラを歌ったからといって、テレモトの家から外れるわけじゃない」。ペテネーラは歌うと不幸を呼ぶという迷信がつきまとう歌で、一族の外にある歌も自分のものにする、という宣言である。10月21日の、ソルデーラ一族で初めて職業の歌い手になったレラ・ソトと同じく家を背負いながら、彼女はジェライ・コルテスと組み、パロと主題を並べる新しい形に家の歌を入れた。
  • いま: 演奏会の案内によると、2026年7月30日のエスティバル・クエンカで「ホセ・ルイス・ペラレス若手音楽才能賞2026」を受けて歌い、8月5日にはヘレスのティオ・ペペ・フェスティバルにも出演した。
  • 入り方: まず『A La Muerte』で、家の夜に聞いた古い歌の重さを、次に『Murmuraorx』と『Miraíta』で、パロに主題を重ねる『Manifiesto』の新しさを聴くとよい。

フラメンコギター工房だより

  • 今日の工房は、グラナダのカサ・フェレール(Casa Ferrer)。アルハンブラ宮殿へ上るクエスタ・デ・ゴメレス坂26番地にある。2026年7月30日の地元案内サイト、プラノマトの記事によると、1875年にベニート・フェレールが開き、スペインで最も古いギター工房の一つとされる。いまは4代目のアナとエドゥアルドのドゥラン・フェレール姉弟が店を担う。
  • グラナダ派の源流: ベニート・フェレール(資料により1843〜1926年、1845〜1925年と生没年が割れる)は、グラナダのギター製作の流派「グラナダ派」の祖とされ、多くの弟子を育てた。後を継いだのは甥のエドゥアルド・フェレール(エドゥアルド・フェレール・カスティージョ、1905〜1988年)。工房は、アルバイシン、レアレホ、サンタ・アナなどを経て、いまの坂に落ち着いたとされ、1925年のラベルにはサンティアゴ通り25番地とある。
  • 使った人たち: プラノマトによると、作曲家マヌエル・デ・ファリャのギター(グラナダのファリャ記念館に残る)、マニタス・デ・プラタ、9月10日のギタリスト列伝サビーカスの楽器がこの工房から出た。アルハンブラの坂の工房が、フラメンコの名人とクラシックの作曲家の両方の手に楽器を渡してきた。
  • 4代目の製作家(エドゥアルド・ドゥラン・フェレール): 1965年グラナダ生まれ。祖父エドゥアルド・フェレールと父アントニオ・ドゥラン・スリータ(1940〜2006年)の工房で育ち、1982年ごろ、学生のうちから父の工房で働き始めた。英国のギター店カズ・スワのインタビューでは、父の工房にいた職人ラファエル・モレノ(モレノ・ロドリゲス)が道具の扱いと工程を教え、祖父と父が製作の「秘密と技術」を伝えたという。塗装は、8月5日などの工房だよりで紹介したアントニオ・マリン・モンテロの工房で学んだ。1985年に最初のギターを作り、1998年に自分の工房を持った。いまは息子マリオに教えていて、本人はこれを5代目と呼ぶ。
  • 音と作り方: 祖父の設計に基づくフラメンコとクラシックのギターを作り、グラナダ派らしい小ぶりの胴で、音色、音の通り、余韻が評価される。よい音とは「バランスが取れていること」で、木の硬さに合わせて一枚一枚の厚みを削って作るという。弾き心地は製作の段階で、弾く人のタッチに合わせて張力を作り込むもので、これはフラメンコでもクラシックでも同じだと語る。塗装はセラック(虫の分泌物から作る天然樹脂)を布で塗り重ねる「フレンチ・ポリッシュ」だけで、「より自然で、音に影響しない」と考えている。
  • 日本とのつながり: 弦長640、628、615ミリの短いギターも注文に応じて作り、注文は主に日本から来る。手の小さい奏者向けでもあり、本人は、長い弦長と比べて音量や音の差はなく、弾いた奏者たちもそれを認めていると話す。
  • 店の楽器: プラノマトによると、店の楽器は練習用からプロ用まで段階に分かれ、弦長はすべて標準の650ミリ。表面板は松と杉、裏板と側板はサペリ、コルディア、インド・ローズウッド、糸杉、グラナディージョ。入門のフラメンコ・モデルCF-3はシカモアの胴で、CF-8は糸杉、CF-10はグラナディージョを使う。材木は10〜30年乾かし、仕上げはセラック。奏者ごとの調整にも応じる。
  • 継承の形: 9月21日の工房だよりのマヌエル・デ・ラ・チカは、ベニート・フェレール門下の工房で働いた人だった。今日のカサ・フェレールは、その源流の家が、甥、娘の家、孫、ひ孫へと名前を変えながら5代目まで続いていることを示している。
  • 注文と保証: 製作上の欠陥には生涯保証を付け、扱いの誤りは対象外。暖房のそば、夏の車のトランク、湿気、衝撃を避けるよう助言する。楽器選びでは製作家の名前より、自分にとって弾きやすく、よく応えてくれる1本を選ぶよう勧めている。

フラメンコのパロ解説

  • 今日のパロはミロンガ(Milonga)。アンダルシア州のフラメンコ研究所は、多くの専門家がアルゼンチンの民俗音楽、とくにラ・プラタ川流域の歌に由来すると見ていると説明し、アメリカ大陸から「行って帰ってきた歌(カンテ・デ・イダ・イ・ブエルタ)」に分類する。カディスの港からアンダルシアに入ったとされる。
  • 広めた人々: 研究所によると、闘牛士パコ・オロの娘ホセファ・ディアス「ペパ・オロ」が、ヘレスの興行主フアン・フンケーラに雇われてアルゼンチンを巡業し、帰国後、ミロンガをフラメンコに合わせて自分の看板曲にした。1913年にはアントニオ・チャコンが録音し、1911年ごろにはマヌエル・エスカセナがメキシコの闘牛士たちから覚えたミロンガ『フアン・シモン』を広めた。のちに大きく育てた一人がペペ・マルチェナである。
  • 系統: 10月2日のグアヒーラ(キューバ)、10月10日のコロンビアーナ(マルチェナの創作)、10月18日のルンバと同じ「往復の歌」の一族で、アルゼンチン北部の民謡から来たビダリータは姉妹にあたる。一族の旋律は、ブレリアやタンゴのリズムにも移されてきた。
  • コンパス: 4分の4拍子で、研究所は「タンギージョのリズム」を伴うと書く。数え方は、10月14日のタンギージョと同じく4拍で「(1)、2、3、4」と最初の拍を休みにし、パルマを2・3・4へ打つと、ゆったりした揺れが出る。足で1を踏み、手は2から入る。ソレア系の12拍のような決めのアクセントはなく、歌の句の終わりに合わせて伴奏が止まり、また動き出す。
  • 調性とコード: 研究所は「短調で」歌われると書く。短調では、主和音と属和音を行き来するのが基本で、例えばAマイナーを主和音にしてE7から戻る形になる。フリジア旋法のEで終わるソレアやシギリージャとは、終わり方の響きがまったく違う。
  • レトラ: 1連は8音節の4行。恋の嘆きや、遠い土地の記憶、身の上話を歌うものが多い。『フアン・シモン』は、墓掘りの父が自分の娘を葬る悲しい物語として知られ、のちの歌手たちにも歌い継がれた。
  • 聴きどころと構成: 踊りより歌とギターで聴かせるパロで、歌い手は旋律をたっぷり伸ばし、ギターは句と句の間を短い前奏でつなぐ。ギター独奏では、歌の旋律を和声つきで歌わせ、途中でラスゲアードを挟んで盛り上げる。
  • 代表録音1(古い歌のミロンガ): フラメンコ・マスターズ公式の『Niño Marchena - La Rosa (Milonga) (Flamenco Masters)』。若き日のペペ・マルチェナ(ニーニョ・マルチェナ)の歌に、9月8日のギタリスト列伝ラモン・モントーヤがギターを付けた録音で、作詞はアルバレス・キンテロ兄弟、作曲はV・フォルネス。高い声で旋律を引き伸ばすマルチェナと、句の間で短く答えるモントーヤのやり取りに注目したい。
  • 代表録音2(ギター独奏): 配信元公式の『Milonga Flamenca』(サビーカス)。今日の工房だよりのカサ・フェレールの楽器も弾いたサビーカスが、歌の旋律をギター1本で歌わせる。短調の主和音と属和音の行き来と、旋律の上に置かれるラスゲアードの対比を聴きたい。
  • 代表録音3(現代の歌い手): アンダルシアのフラメンコ放送チャンネル公式の『Milonga. José Malias. 2021』は、歌のホセ・マリアスにギターのマヌエル・セルパが付く。同じチャンネルの『Milonga. Guillermo Cano. 2011』は、エクスポフラメンコが「甘さの歌い手」と呼んだギジェルモ・カノの歌で、マルチェナの録音より旋律の装飾を抑え、言葉の物語を前に出す解釈と聴き比べられる。
  • 似たパロとの聴き分け: ビダリータも8音節4行で同じ一族だが、ミロンガはタンギージョの4拍の揺れが目印になる。グアヒーラは長調の12拍の揺れ、コロンビアーナは長調の4拍系。暗い短調で、ゆったりした4拍で身の上を語れば、ミロンガと考えてよい。

まとめ

  • 2026年10月29日のスペインは、「受け継ぐ家」の一日だった。テレモト家の甥として叔父に習い、モライートとテレモトのために弾くと語るマヌエル・バレンシア。父の最後の舞台で芸を受け取り、パロに主題を重ねた『Manifiesto』で家の歌を広げたマリア・テレモト。母を失った4月を詩で踊ったラ・ピニョーナ。1875年から5代目へ続くカサ・フェレール。そして、ペパ・オロがアルゼンチンから持ち帰ったミロンガ。一方で、ウルダの列車事故では少なくとも68人が亡くなり、ECBではスペイン人初の総裁の可能性が浮上した。
  • 別れは「ウン・アブラソ・フエルテ(Un abrazo fuerte)」。「強い抱擁を」という、親しい人に手紙やメッセージの最後で送る言葉である。

参考ソース

  • 国際: El Mundo「Christine Lagarde abandonará la presidencia del BCE el próximo 7 de febrero y coloca al español Hernández de Cos…」(2026年10月29日) https://www.elmundo.es/economia/dinero-inversion/2026/10/29/6ae31ae8e4d4d8a0548b459c.html /El País「Christine Lagarde dejará la presidencia del BCE el 7 de febrero y abre la carrera por su sucesión」(2026年10月29日)
  • 国内: El País「Los 17 minutos en los que nadie en el centro de control vio que el AVE se dirigía a un choque brutal con el Iryo」(2026年10月28日) https://elpais.com/espana/2026-10-28/por-que-han-chocado-dos-trenes-en-toledo.html /El País「Al menos 68 muertos tras el choque entre un AVE de Renfe y un tren Iryo a la altura de Urda, en Toledo」(2026年10月28日)/El País「Iberia limita el precio máximo de sus vuelos en 99 euros con origen o destino Andalucía…」(2026年10月28日)/La Prensa「¿Qué se sabe del choque de trenes en Toledo…?」(2026年10月28日) https://www.laprensa.hn/fotogalerias/mundo/ave-choque-trenes-toledo-muertos-victimas-adif-urda-ED32464101
  • 文化: Ara「Enrique Vila-Matas wins the National Prize for Spanish Letters」(2026年10月27日) https://en.ara.cat/culture/enrique-vila-matas-wins-the-national-prize-for-spanish-letters_1_5891910.html /Artículo 14「Enrique Vila-Matas gana el Premio Nacional de las Letras…」(2026年10月27日) https://www.articulo14.es/cultura/enrique-vila-matas-gana-el-premio-nacional-de-las-letras-por-su-influencia-decisiva-en-la-narrativa-20261027.html /El Mundo「Enrique Vila-Matas, tras recibir el Premio Nacional: "Escribir es divertirse…"」(2026年10月27日)
  • フラメンコニュース: Revista La Flamenca「San Fernando entrega su XIV Premio Leyenda del Flamenco a Tomatito」(2026年10月29日) https://www.revistalaflamenca.com/san-fernando-entrega-su-xiv-premio-leyenda-del-flamenco-a-tomatito/ /Utrera al día「El XLII Festival Flamenco El Mostachón que rinde homenaje a Rafael Riqueni inicia este 2 de noviembre」(2026年10月29日) https://utreraaldia.com/el-xlii-festival-flamenco-el-mostachon-que-rinde-homenaje-a-rafael-riqueni-inicia-este-2-de-noviembre/ /Valencia News「L'Auditori de Torrent reúne a Argentina, La Lupi, Chano Domínguez y Antonio Reyes en su Festival Flamenco」(2026年10月29日) https://valencianews.es/comarcas/lauditori-de-torrent-reune-a-argentina-la-lupi-chano-dominguez-y-antonio-reyes-en-su-festival-flamenco/
  • ギター列伝: Lobero Theatre「Manuel Valencia bio」 https://www.lobero.org/wp-content/uploads/2023/08/Manuel-Valencia-bio.pdf /Hollywood Bowl「Manuel Valencia」 https://hollywoodbowl.com/musicdb/artists/8856/manuel-valencia /World Music Central「Manuel Valencia」 https://worldmusiccentral.org/?p=102186 /DeFlamenco「Manuel Valencia – Entre mis manos – La Bienal」(2016年9月21日) https://deflamenco.com/revista/resenas-actuaciones/manuel-valencia-entre-mis-manos-la-bienal1-1.html /Quarry Amphitheatre「Flamenco under the Stars featuring Manuel Valencia」 https://www.quarryamphitheatre.com.au/Whats-On/Flamenco-under-the-Stars-featuring-Manuel-Valencia-SPAIN /Buscadores Flamencos「Sobremesa Flamenca #17」 https://www.youtube.com/watch?v=qeMoOQhuvL4 /Solera Flamenca 試奏映像 https://www.youtube.com/watch?v=9VEdgg07x64 /Wikipedia(英語)「Gerundino Fernández」
  • バイレ列伝: Bienal de Flamenco 2020「Dossier La Piñona(Abril)」 https://www.femas.es/xxi-bienal-flamenco-2020/archivos/dossier/dossier-lapinona.pdf /DeFlamenco「Abril, la renovación de Lucía Álvarez 'La Piñona' en la Bienal」 https://deflamenco.com/revista/entrevistas/abril-la-renovacion-de-lucia-alvarez-la-pinona-en-la-bienal.html /DeFlamenco「Lucía La Piñona pre-estrena en los Teatros del Canal 'Insaciable'」(2022年9月3日) https://deflamenco.com/revista/noticias/lucia-la-pinona-pre-estrena-en-los-teatros-del-canal-insaciable.html /Vida Flamenca「2025 Festival de Jerez presents Lucía Piñona en 'Lucía, en vivo'」 https://vidaflamenca.org/2025-festival-de-jerez-presents-lucia-pinona-en-lucia-en-vivo/ /Montauban Tourisme「Lucía Álvarez La Piñona」 https://www.montauban-tourisme.com/en/stay/agenda/lucia-alvarez-la-pinona-montauban-en-6643047/
  • カンテ列伝: Bienal de Flamenco 2022「Biografías: María Terremoto」 https://www.femas.es/xxii-bienal-de-flamenco-sevilla-2022/archivos/biografias/biografias-terremoto-mino-hugo-perez.pdf /DeFlamenco「María Terremoto presenta Manifiesto en el Teatro Villamarta de Jerez」(2025年1月28日) https://deflamenco.com/revista/noticias/maria-terremoto-presenta-manifiesto-en-el-teatro-villamarta-de-jerez.html /Conciertos.club「Estival Cuenca: María Terremoto」 https://conciertos.club/cuenca/conciertos/117367-estival-cuenca-maria-terremoto /Conciertos.club「Tío Pepe Festival: María Terremoto」 https://conciertos.club/cadiz/conciertos/111565-tio-pepe-festival-maria-terremoto
  • 工房: Planomato「Guitarrería Casa Ferrer」(2026年7月30日) https://www.planomato.com/es/granada/n/guitarreria-casa-ferrer /Kazu Suwa「Classical Guitar Luthier Interview: Eduardo Durán Ferrer」 https://www.kazu-classicalguitar.co.uk/kazu-suwa-guitar/compendium/luthiers/spain/eduardo-duran-ferrer /Zavaletas「Eduardo Durán Ferrer」 https://www.zavaletas-guitarras.com/guitar-makers-classical-flamenco/2015/5/19/eduardo-duran-ferrer /Zavaletas「Historic Makers of the Granada School」 https://www.zavaletas-guitarras.com/historic-makers
  • パロ: Instituto Andaluz del Flamenco「Milonga」 https://www.juntadeandalucia.es/aaiicc/flamenco/content/milonga /Wikipedia(英語)「Cantes de ida y vuelta」 https://en.wikipedia.org/wiki/Cantes_de_ida_y_vuelta /ExpoFlamenco「¿Qué fue de Guillermo Cano, el cantaor de la dulzura?」(2025年10月14日) https://expoflamenco.com/revista/que-fue-de-guillermo-cano-el-cantaor-de-la-dulzura/

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