ロルカ没後90年のグラナダ、ジャズを往復するニーニョ・ホセレ、マドリードの大通りを歌うカラコレス【2026/10/19】

2026-10-19 / スペイン便り


概要

殺害から90年、グラナダは4日間の「集団の葬儀」でロルカを悼み、ロルカの影をめぐる映画『La bola negra』は2026年のスペイン映画の興行収入で1位になりました。列伝は、ビル・エバンスの和声とトルエバ監督の新作映画『Bajañí』で注目を集めるアルメリアのギタリスト、ニーニョ・ホセレ、新作『Gesto mínimo』を初演したマドリード派の踊り手アルフォンソ・ロサ、ラ・パケーラの一族を継ぐヘレスの歌い手ヘスス・メンデス。パロ解説は、アントニオ・チャコンがマドリードのアルカラ通りを歌ったカンティーニャ、カラコレスの12拍を数えます。今日のスペイン語は、ロルカの詩句「ベルデ・ケ・テ・キエロ・ベルデ(緑、おまえが好きだ、緑)」。

▼ 今日のトピック ・「孫の法律」で国籍を得た約16万人の投票権、最高裁の仮処分で宙に浮く ・ロス・ハビス『La bola negra』が2026年のスペイン映画で興行収入1位/スタジオジブリにアストゥリアス皇女賞 ・グラナダ、ロルカの「集団の葬儀」(アンヘレス・トレダノ、ロシオ・マルケス)/スマ・フラメンカ今週の舞台(チャノ・ドミンゲス、ガブリエル・マティアス)/映画『Bajañí』 ・ギター列伝: ニーニョ・ホセレ ・バイレ列伝: アルフォンソ・ロサ ・カンテ列伝: ヘスス・メンデス ・工房だより: ヘレス出身、セビリア・トリアナの製作家アンドレス・ドミンゲス ・パロ解説: カラコレス

▼ 関連リンク(アーティスト・パロ・工房) ・ニーニョ・ホセレ『Waltz for Debby』ビル・エバンス讃、レコレトス・ジャズ 2026年(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=tiDf4MetECg ・ニーニョ・ホセレ&チック・コリア『Galaxias』(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=TTUglooPKSU ・ニーニョ・ホセレ『ソレア』2004年(アンダルシア公共放送) https://www.youtube.com/watch?v=z8GhQq6Idsg ・ニーニョ・ホセレ『Dulce canastera』歌ドゥケンデ(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=TkHs_sh1ELo ・映画『Bajañí』公式予告編(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=6c1fYZPNZ7Q ・アルフォンソ・ロサ『Gesto mínimo』ティーザー(制作会社公式) https://www.youtube.com/watch?v=M58Oc4nb0GA ・アルフォンソ・ロサ&パウラ・コミトレ『Alter Ego』(制作会社公式) https://www.youtube.com/watch?v=CrIRVP4jNvY ・アルフォンソ・ロサ『ソレア』カサ・パタス 2017年(カサ・パタス公式) https://www.youtube.com/watch?v=7gmlyOLYpT4 ・ヘスス・メンデス『ソレア・ポル・ブレリア』2013年(アンダルシア公共放送) https://www.youtube.com/watch?v=LHZf72Vx5IM ・ヘスス・メンデス『ラ・パケーラのブレリア』2011年(アンダルシア公共放送) https://www.youtube.com/watch?v=S-u2tIgmwKE ・ヘスス・メンデス『Le canto a mi Andalucía』(本人公式) https://www.youtube.com/watch?v=-sBSzmaQ3zw ・ディエゴ・デル・モラオのギターでブレリア、ヘスス・メンデス飛び入り 2026年9月3日(主催者公式) https://www.youtube.com/watch?v=A5vJE_-S99s ・アンドレス・ドミンゲス 1997年製フラメンコギター https://www.flamencoguitarsforsale.net/en/andres-dominguez-guitars/flamenco-guitar-andres-dominguez-1997/ ・アントニオ・チャコン『Caracoles: Como reluce』1928年(公式配信) https://www.youtube.com/watch?v=6V34cKeBI_8 ・ナランヒート・デ・トリアナ『カラコレス』ギター ラファエル・リケーニ 1989年(アンダルシア公共放送) https://www.youtube.com/watch?v=DcTYSHRTvG0 ・アナ・マリア・ブエノ『カラコレス』踊り 2001年(アンダルシア公共放送) https://www.youtube.com/watch?v=R_RPZaYBF04

#スペイン #フラメンコ #ロルカ #ギター #バイレ #カンテ #カラコレス #ずんだもん


スライド(クリックで展開)

スペイン文化・フラメンコ便り(2026年10月19日)

オープニング:2026年10月19日 — スペイン文化・フラメンコ便り

  • 今日のスペイン語は「ベルデ・ケ・テ・キエロ・ベルデ(Verde que te quiero verde)」。ロルカが1928年の詩集『ジプシー歌集(Romancero gitano)』の「夢遊病のロマンセ」の冒頭に置いた一行で、「緑、おまえが好きだ、緑」。意味より響きで覚えられ、スペインでは誰もが口ずさめる詩句である。
  • 今日の軸はロルカである。殺害から90年、グラナダは10月15日から18日まで、約500人の芸術家による「集団の葬儀」で詩人を悼んだ。ロルカの影をめぐる映画『La bola negra』は2026年のスペイン映画で興行収入1位になった。列伝は、ジャズとフラメンコを往復するアルメリアのギタリスト、ニーニョ・ホセレ、マドリード派の踊り手アルフォンソ・ロサ、ラ・パケーラの一族を継ぐヘレスの歌い手ヘスス・メンデス。パロ解説は、マドリードのアルカラ通りを歌うカラコレスを数える。

スペイン国内ニュース

  • 11月29日の総選挙を前に、2022年の民主的記憶法で国籍を得た「孫の法律(ley de nietos)」の新しいスペイン人のうち、約16万人の投票権が宙に浮いている。最高裁第3法廷の5人の判事が9月10日、極右政党ボックスの訴えを受けて投票を止める仮処分を出し、10月12日に国の不服申し立てを退けた。法学者ジョルディ・ニエバ=フェノールはエル・パイス紙で「国民から投票権を奪うのは憲法上考えられない」と批判し、右派のエル・ムンド紙は10月18日、国民党が外務省の対象者の名簿作りの遅れを「意図的な策動」と非難したと報じた。祖父母が内戦で迫害を受けたことが国籍の理由である人々の一票が、ロルカ没後90年の秋に争点になっている。

文化・芸能ニュース

  • ロルカの影の映画が年間1位: ハビエル・アンブロッシとハビエル・カルボの二人組「ロス・ハビス」が脚本と監督を手がけた『La bola negra(黒い玉)』が、公開4週目の10月17日に1日で120万ユーロを稼ぎ、累計2,860万ユーロに達した。エル・パイス紙によると、サンティアゴ・セグラの『Torrente presidente』(2,810万ユーロ)を抜いて2026年のスペイン映画の首位に立ち、スペイン映画の歴代興行収入でも4位に入った(物価の補正なし)。前週から『Los otros』『El orfanato』など、アメナーバルやバヨナの作品を次々に抜いた。観客は400万人を超え、10月19日(月)から22日(木)までは、ほぼ全国の映画館が入場料を3.5ユーロにする「映画の祭り(Fiesta del Cine)」が始まる。出演者にはペネロペ・クルスも名を連ね、米国でも公開初週末に満席が続いたと報じられた。2019年以降、年間1位はほぼ毎年セグラの作品だったが、その流れを、ロルカの影をめぐるドラマが止めた。
  • ジブリにアストゥリアス皇女賞: スタジオジブリは10月23日(金)、オビエドでアストゥリアス皇女賞のコミュニケーション・人文学部門を受ける。エル・パイス紙は10月6日に東京で社長の依田謙一(51歳)に取材した。依田は「宮崎駿は毎日絵を描き、次に何を作るかを考えている。私たちは締め切りで動かない」と語り、AIについては「ジブリの作り方は、AIによる制作から最も遠い。3秒の場面に半年かけたこともある」と答えた。記事は、『もののけ姫』の14万4,000枚の絵のうち8万枚以上を宮崎が描くか直したこと、宮崎が親たちに「同じ映画は年に1回以上見せず、外で遊ばせて」と勧めていることも紹介した。1970年代のスペインの子どもたちは、ジブリ以前に高畑勲と宮崎が関わった『アルプスの少女ハイジ』や『母をたずねて三千里』(スペイン語題『Marco』)で育った。スペインの賞が、日本の手仕事のアニメに人文学の賞を贈るという構図である。

フラメンコニュース

  • グラナダ、ロルカの「集団の葬儀」: エル・パイス紙によると、10月15日(木)から18日(日)までの4日間、音楽家、詩人、踊り手、指揮者、合唱団員、鐘つきなど約500人が市民と11の演目で詩人を悼んだ。遺体はいまも見つかっていない。金曜の夜、大聖堂前のパシエガス広場では、ロックバンド、ベトゥスタ・モルラのギジェ・ガルバンが『イグナシオ・サンチェス・メヒアスへの哀歌』を4曲の歌にした『Yo canto para luego(あとで歌う)』が上演された。歌い手アンヘレス・トレダノがバルコニーから、ロックバンドの歌手ダンディ・ピラーニャ(本名ミゲル・ガルシア・カンテラ)が大聖堂の階段から歌い、観客の中に紛れた合唱団が突然声を上げた。トレダノは、この4日間を「敬意と愛の精神」と呼んだ。土曜には歌い手ロシオ・マルケスと作家カルメン・カマチョが、コラール・デル・カルボンのバルコニーで、ロルカの言葉と処刑者たちの言葉を交互に置く『Re-Petición』を演じ、夜は大聖堂でモーツァルトの『レクイエム』が奏でられた。日曜の正午、アルバイシンとアランブラの鐘が雨の中で鳴り、4日間が終わった。哀歌の一節「午後の5時だった」に合わせ、午後5時が4日間の「嘆きの時刻」になった。
  • スマ・フラメンカ、今週の舞台: マドリード州の祭典スマ・フラメンカ(10月13日〜11月1日、43公演)は、今週も続く。10月20日にはカディス出身のピアニスト、チャノ・ドミンゲスがテアトロス・デル・カナルのサラ・ネグラで独奏を開く(2014年にはニーニョ・ホセレと二重奏盤『Chano & Josele』を出している)。10月24日には、ブラジル生まれでマドリードの音楽院でフラメンコ舞踊の教育課程を修めた踊り手ガブリエル・マティアスが『Quitar lo superfluo(余計なものを取り除く)』を初演し、券はすでに完売した。題名は、アントニオ・ガデスの「踊りからも、何からも、余計なものは取り除かねばならない」という言葉から取った。10月25日には、踊り手メルセデス・ルイスとギタリストのサンティアゴ・ララが『Dual』で共演する。
  • ニーニョ・ホセレの映画『Bajañí』: フェルナンド・トルエバ監督が、ニーニョ・ホセレのギターを軸に、フラメンコからジャズ、ブラジル音楽へ旅する112分の映画『Bajañí』を撮った。9月22日、第74回サン・セバスティアン国際映画祭の公式部門(コンペ外)で上映された。本人は今週10月23日にビトリアで、11月1日にカルタヘナ・ジャズ祭で、11月14日にバルセロナのリセウ音楽院で演奏する予定である(詳しくはギタリスト列伝)。
  • アンダルシアと首都: 今日の話題は、アンダルシアの町グラナダが詩人を悼み、首都マドリードの祭典が全国とブラジルの踊り手まで並べ、ロルカの影の映画がスペイン全土の映画館を満たした一日だった。ロルカはグラナダの詩人だが、1922年にはマヌエル・デ・ファリャとともにグラナダでカンテ・ホンド・コンクールを開き、「アンダルシアの深い歌」を国の文化として守ろうとした人でもある。グラナダが「自分たちの詩人」として悼む一方、マドリードがその影を国民的な映画にする。アンダルシアの人々には、自分たちの芸能や詩人が「国の顔」として首都に取り込まれることへの誇りと複雑さが同居している。

フラメンコギタリスト列伝

  • 今日の一人はニーニョ・ホセレ(Niño Josele)。本名フアン・ホセ・エレディア・エレディア。1974年4月24日、アルメリア生まれ。父はアルメリアで知られた歌い手ホセレで、歌い手と弾き手が続くヒターノの音楽一家に育ち、6歳でギターを始めた。国立音楽普及センター(CNDM)の資料は、家庭の中に絶えずフラメンコがあり、「生活そのものと結びついた表現の手順」を最初から身につけたと書く。育った地区は、アルカサバの丘のふもとに広がるアルメリアのラ・チャンカである。
  • 転機1(1996年、セビリア・ビエナル): 1996年、セビリア・ビエナルの若手演奏家コンクールで1位を取った。2001年にBMGから最初のソロ盤『Niño Josele』を出し、同じ年に作曲家・プロデューサーのハビエル・リモンと共作盤『El Sorbo』を出した。
  • 転機2(モレンテとパコ・デ・ルシア): 本人は自分の歩みで決定的だった時期を二つ挙げる。一つは、エンリケ・モレンテの伴奏者として、舞台と2003年の盤『El pequeño reloj(小さな時計)』に加わった時期。もう一つは、パコ・デ・ルシアのグループで6年間、世界の舞台を回った時期である。ほかにもレメディオス・アマヤ、ドゥケンデ、モンセ・コルテス、ディエゴ・エル・シガラらの録音と舞台を支えた。
  • 転機3(2006年、『Paz』): ジャズ・ピアニストのビル・エバンスの音楽をフラメンコのギターで弾いた『Paz(平和)』を、2006年にレーベル「カジェ54」から出した。カジェ54は、トルエバ監督の2000年のラテン・ジャズ映画と同じ名前である。アンダルシア州の劇場資料は、エバンスを知ったことが「和声の学び」になり、チック・コリア、フィル・ウッズ、マーク・ジョンソン、ジョー・ロヴァーノとの共演へつながったと書く。2010年5月15日には、ニューヨークのブルーノートで、コリア、ベースのエディ・ゴメス、ドラムのポール・モチアンの三人組の舞台に招かれた。2009年の『Española』はラテン・グラミー賞の候補になった。
  • 転機4(2012〜2022年): 2012年の『El mar de mi ventana(窓の海)』について、本人は「フラメンコは、海へ流れ込む川のようなもの。あらゆる音楽を探ってきたが、今度は根に、ラ・チャンカの地区に、15歳のころに戻りたかった」と語った。2014年にはピアニストのチャノ・ドミンゲスと『Chano & Josele』を出し、2022年11月25日の『Galaxias』では、2021年に亡くなったチック・コリアと生前に録った曲と、パナマの歌手ルベン・ブラデスが歌うルンバを入れた。
  • 代表作1(いまのエバンス): 本人公式の『Waltz for Debby』(ビル・エバンス讃、レコレトス・ジャズ、2026年)。『Paz』の20周年を記念する連続公演から、マドリードのレコレトス・ジャズでの約5分20秒の演奏である。ベースはアレハンドラ・ロペス、ドラムはダニ・ガルシア。ピアノで弾かれる3拍子のワルツの和音を、ギター1本の和音と単音の旋律にどう分け直すか、そして右手の親指で弾く低音が、ベースとどこで重なり、どこで道を譲るかに注目したい。
  • 代表作2(コリアとの対話): 本人公式の『Galaxias』(チック・コリアと)。2022年10月に『Galaxias』の先行曲として出た約9分の映像で、ドラムとラテンのリズムを入れたフラメンコのルンバである。ピアノとギターが短い句を投げ合う所に注目すると、本人が「指で合図を出すと、コリアは20通りに広げる。フラメンコと同じで、目で会話する」と語った関係が音で分かる。
  • 代表作3(フラメンコの芯): アンダルシア公共放送の『ソレア』(番組『La Llama Viva』、2004年)。パコ・デ・ルシアのグループにいた時期の約2分30秒の独奏である。ジャズの和声を語る人が、ソレアの12拍の区切りで和音をどこに打ち込むか、2分余りの中で旋律を急がずに置く呼吸を聴いておくと、『Paz』の静かな弾き方の根がフラメンコにあることが分かる。
  • 代表作4(歌の伴奏): 本人公式の『Dulce canastera(優しい籠編みの娘)』(ブレリア)。歌はドゥケンデ、エレキベースはカルレス・ベナベント、打楽器はイスラエル・スアレス「ピラーニャ」、コーラスとパルマはロス・チェロキー。ベナベントはパコ・デ・ルシアのグループの仲間でもある。ドゥケンデの句の切れ目に、ギターが短い合いの手を差し込む箇所を聴きたい。
  • 技法の比較: 10月17日のアレハンドロ・ウルタドが巨匠たちの古い曲を掘り起こして伝統の型を磨いたのに対し、ニーニョ・ホセレは、ビル・エバンスの和声を学んで、フラメンコのギターの響きを広げた。師と仰ぐパコ・デ・ルシアがジャズの奏者と共演してきた道を、さらにピアノの和音の作り方の側から進んだ人ともいえる。CNDMの資料によれば、コリアは彼を「パコ・デ・ルシアの自然な継承者」と呼んだ。本人は「私はスポンジのようなもの」と言い、共演者の音を吸い込む耳を自分の武器に挙げる。
  • いま(映画『Bajañí』): トルエバ監督の新作『Bajañí』は、ギターのホセレを軸に、スペイン、ブラジル、米国を旅する112分の映画である。出演はカエターノ・ヴェローゾ、マリーザ・モンチ、ロン・カーター、ケニー・バロン、ルベン・ブラデス、エストレージャ・モレンテとソレア・モレンテ。専門誌エクスポフラメンコによると、ヴェローゾはビートルズの『Because』を英語で歌い、ロン・カーターのベースとブラデスの歌詞で、ホセレのソレアが演奏される。ホセレの息子ホセが、カーターにリズムとベースの動きを説明した場面もある。トルエバは、各曲を1日で録ることにこだわり、この作品をドキュメンタリーではなく「ミュージカル」と呼ぶ。本人は「ギターでこんなに多くのことができるとは知らなかった、本当に」と語った。予告編は本人公式の『Bajañí』公式予告編。約1分30秒で、ブラジルの歌の伴奏をフラメンコのギターがどう支えるかの片りんが見える。
  • 今後の予定: 10月23日にビトリアのアルカビア、11月1日にカルタヘナ・ジャズ祭、11月14日にバルセロナのリセウ音楽院で、コントラバスのマネル・フォルティアとドラムのダニエル・ガルシア・ブルーノとの三人組で演奏し、公開講座も開く予定である。
  • 位置づけと入り方: パコ・デ・ルシア後のギターが、ジャズやブラジル音楽とどう対話できるかを、伴奏者、独奏者、作曲家として示してきた人である。まず2004年の『ソレア』でフラメンコの芯を、次に2026年の『Waltz for Debby』でエバンスの和声を、最後にコリアとの『Galaxias』で即興の会話を聴くと、アルメリアの地区から世界へ伸びた一本の線がつかめる。

フラメンコバイレ列伝

  • 今日の一人はアルフォンソ・ロサ(Alfonso Losa)。マドリード出身の踊り手である。マドリードのフラメンコ・タブラオ、カルダモモの紹介によると、6歳で、現代舞踊、バレエ、フラメンコ、タップを教える舞踊学校に入り、さまざまな踊りを習った。17歳で踊り手マヌエラ・カラスコの舞踊団に入り、稽古ではなく劇場の本番の中でフラメンコを覚えたという。
  • 転機1(受賞の時代、1996〜2008年): マドリードのスペイン舞踊・フラメンコ振付コンクールで1996年と2000年に最優秀舞踊手賞、2007年にコルドバの全国フラメンコ・コンクールでソレアに贈られる「グイト賞」、2008年にラ・ウニオンのカンテ・デ・ラス・ミナス国際祭で踊りの最高賞「エル・デスプランテ」を受けた。ファルキートに誘われて、その舞台にも立った。
  • 転機2(2021〜2022年、『Flamenco: Espacio Creativo』): 2021年10月、スマ・フラメンカで『Flamenco: Espacio Creativo(フラメンコ・創造の空間)』を初演した。演出は、2019年の国民舞踊賞を受けたラファエル・エステベスとバレリアーノ・パニョスの二人組で、音楽監督はギタリストのフランシスコ・ビヌエサ。2022年のヘレス・フェスティバルで批評家賞を受けた。演出家二人は、「ほとんど不可能なピルエット」と「悪魔のようなリズム」から、愛する人との永遠の別れがもたらす空白までを踊る組曲と説明する。
  • 転機3(2023〜2025年、『Alter Ego』): 2023年9月、テアトロス・デル・カナルで、10月12日のバイレ列伝で紹介したパトリシア・ゲレーロと共同で演出した『Alter Ego(もう一人の自分)』を初演した。2024年のヘレス・フェスティバルで観客賞、批評家賞、ビヌエサの音楽賞を含む4つの賞を受け、4月にはマドリードのテアトロ・エスパニョールで上演した。2025年からは踊り手パウラ・コミトレと組む版でフランスのニームなどを回っている。
  • 転機4(2026年、『Gesto mínimo』): 2026年10月2日、改修を終えたセビリアのロペ・デ・ベガ劇場で、セビリア・ビエナルの新作『Gesto mínimo(最小の身振り)』を初演した。振付と芸術監督はロサ本人、舞台演出はダビ・ピカソ、作曲はビヌエサとイシドラ・オライアン。共演の踊り手はカレン・ルゴ、アゲダ・サアベドラ、ジョエル・バルガス、歌はアントニオ・ヌニェス「エル・プルガ」とイスマエル・デ・ラ・ロサ「エル・ボラ」。マドリードのマタデロ舞踊センターとビエナルの共同制作で、国立バレエ団での滞在制作も経て作られた。
  • 代表作1(最新作): 制作会社公式の『Gesto mínimo』ティーザー。2026年10月1日、初演の前日に公開された約1分10秒の映像である。題名どおり、大きな跳躍や連打の前に、肩や指先のどれほど小さな動きで次の動きを予告しているか、動きを止める瞬間の長さに注目したい。
  • 代表作2(二人の踊り): 制作会社公式の『Alter Ego』(パウラ・コミトレと)。2024年10月にアストゥリアスで撮られた約2分20秒の映像作品で、舞台版を映像のために作り直したものである。男女の踊り手が鏡のように同じ動きをなぞる場面と、そこから片方だけが外れる瞬間に、題名の「もう一人の自分」が見える。
  • 代表作3(タブラオの近さ): カサ・パタス公式の『ソレア』(カサ・パタス、2017年3月17日)。マドリードの名門タブラオの30周年の連続公演「ボタ・イ・タコン(ブーツとヒール)」から、約6分の抜粋である。ギターはピノ・ロサダ、歌はマヌエル・タニェ、ラ・ファビ、エル・サンブージョ。上体をまっすぐ保ったまま足だけで速い連打を刻む箇所と、ソレアの12拍の区切りに、最後の一打をぴたりと合わせる瞬間を見てほしい。
  • 技法と比較: 『Flamenco: Espacio Creativo』の資料は、ロサを「マドリード派の舞踊のいちばん正統な現在の代表」と呼び、マドリード派の「簡潔さ、垂直さ、優雅さ」に「目まいがするほどのリズム」を重ねた踊り手と書く。そして「最も古典的な現代派であり、最も現代的な古典派」と評した。10月16日のアンドレス・マリンが音を減らし、型そのものを崩して問いを立てたのに対し、ロサは伝統の型を崩さず、その内側で新しい組み立てを探す。資料の言葉では「型を壊さずに新しい図式を作り、解体せずに組み立てる」踊り手である。
  • 共演と本人の言葉: 資料によれば、モレンテ、トマティート、ヘラルド・ヌニェス、エンリケ・デ・メルチョール、そして今日のギタリスト列伝のニーニョ・ホセレが、舞台に彼を呼んだ。本人は『Flamenco: Espacio Creativo』について、「私たちは大きな遺産を持っているが、作るたびに未知のものと向き合う。フラメンコの踊りの創造の空間は宇宙のようなもの。有限だが、限りがない」と書いている。世界中から踊り手が習いに来る教師でもある。
  • 位置づけと入り方: マドリードの舞踊の伝統と、ヘレスやセビリアの祭典の新作の間をつなぐ人である。まず2017年の『ソレア』で垂直な上体と足技を、次に『Alter Ego』で二人の踊りの構成を、最後に『Gesto mínimo』のティーザーで「最小の身振り」へ向かういまの関心を見ると、型を守りながら変わり続ける踊り手の筋道がつかめる。

フラメンコカンテ列伝

  • 今日の一人はヘスス・メンデス(Jesús Méndez)。本名ヘスス・ルイス・カベージョ。1984年、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ。CNDMの資料によると、ヘレスのサン・ミゲル地区の広場「ラ・プラスエラ」の歌の一族、メンデス家の出で、その一族の頂点に立ったのが20世紀半ばの大歌手ラ・パケーラ・デ・ヘレス(フランシスカ・メンデス・ガリード)である。父フランシスコ・ルイス・メンデスはパケーラのいとこで、1978年に「コパ・ヘレス」のブレリア部門を制した歌い手だった。祖母ドローレス・メンデスや叔父たちとの暮らしの中で育った。
  • 転機1(2002〜2008年): 17歳で舞台に上がると決め、2002年、ヘレスの「ドン・アントニオ・チャコン文化協会」でデビューした。今日のパロ解説のカラコレスを広めた歌い手チャコンの名を冠する会である。若くしてギタリストのヘラルド・ヌニェスの一座に加わり、ニューヨークから北京まで世界を回った。2008年、ヌニェスのレーベル「ガジョ・アスル」から初の盤『Jerez sin fronteras(国境のないヘレス)』を出し、モライート、ディエゴ・デル・モラオ、サンティアゴ・ララが参加して、全国批評家賞の新人盤賞を受けた。
  • 転機2(踊りの伴唱と舞台、2008〜2014年): 踊り手メルセデス・ルイスとの仕事で、踊りの後ろで歌う「カンテ・デ・アトラス」を磨いた。ロシオ・モリーナの『Vinática』(2012年)、アンドレス・マリンの作品などにも加わり、2012年に2作目『Añoranza(郷愁)』を出した。2014年7月には、フランスのアヴィニョン演劇祭で、シリア、イラク系米国、モロッコの作曲家による、フラメンコのサエタ(聖週間の宗教歌)と現代アラブ音楽を混ぜた作品『Oración(祈り)』を歌った。同じ年のセビリア・ビエナルでは、10月14日のカンテ列伝で紹介したアントニオ・レジェスと『Cantaores』に出た。
  • 転機3(2017〜2023年): 2017年に『Voz del alba(夜明けの声)』を出し、2021年、大叔母にあたるパケーラの歌を歌い直した『Recordando a la Paquera de Jerez(ラ・パケーラ・デ・ヘレスを偲んで)』を出した。2023年4月には、マドリードの国立音楽堂で、ディエゴ・デル・モラオのギターと公演『Los pasitos que yo doy…(私の歩む小さな歩み)』を開いた。題は、トマス・パボンやマノロ・カラコルが広めたソレアの歌詞から取っている。
  • 代表作1(ヘレスの芯): アンダルシア公共放送の『ソレア・ポル・ブレリア』(番組『Foro Flamenco』、2013年)。ギターはマヌエル・バレンシア。約5分45秒の映像である。ゆっくりしたブレリアの拍の上で、どの句の終わりで声を張り、どこで沈めるか、そして歌い終えた瞬間にギターがどう刻みへ戻るかを聴きたい。
  • 代表作2(一族の歌): アンダルシア公共放送の『ラ・パケーラのブレリア』(番組『El Sol, la Sal y el Son』、2011年)。ギターはマヌエル・バレンシアで、パケーラの姪にあたるマヌエラとパキ・メンデスが伴唱する。約3分25秒で、一族の女性たちの声とパルマが彼の歌を取り囲む場面に、ラ・プラスエラの歌が家族の中で受け継がれてきたことが見える。
  • 代表作3(本人の新曲): 本人公式の『Le canto a mi Andalucía(わがアンダルシアに歌う)』。2023年6月28日に公開した約4分40秒の映像で、作詞作曲はアントニオ・ガジャルドと本人、ギターと監督はモラオ家のペペ・デル・モラオ、バイオリンはベルナルド・パリージャ。ヘレスの酒蔵ゴンサレス・ビアスや兄弟団の協力で撮られた。伝統の節の歌い手が、バイオリンと打楽器を入れた歌謡の形で、どこまでブレリアの声を残すかを聴き比べたい。
  • 代表作4(2026年夏): 『アントニオ・レジェスとの、ファンダンゴの掛け合い』(サンルーカル・デ・バラメダ、2026年8月19日)。フラメンコ専門の取材チャンネル、フラメンコマニアTVの記録で、ギターはパコ・レオンとジョニ・ヒメネス。約10分半、二人が交互にファンダンゴを一節ずつ歌う。チクラナのレジェスの柔らかく揺れる節と、ヘレスのメンデスの力で押す節を、同じパロで聴き比べられる。
  • 声と比較: CNDMの資料は、彼がパケーラから「力と存在感」を受け継いだと書き、別の資料は、ラ・プラスエラの歌の強い守り手で、ブレリアとソレアを本領とする歌い手と紹介する。10月16日のエセキエル・ベニテスはヘレスのサンティアゴ地区の生まれで、モラオ家も同じサンティアゴの出身である。CNDMは、サン・ミゲルのメンデス家とサンティアゴのモラオ家という二つの地区の家系が、21世紀に二人の芸術家を通じて出会ったと書いた。同じ町の中でも、地区ごとに歌の血筋がある。
  • いま: 2026年8月19日にサンルーカルでレジェスと掛け合い、8月22日にはエル・ペレと夏の祭りの最終夜に立った。9月3日、セビリア県マイレナ・デル・アルコルのアントニオ・マイレナ記念カンテ・ホンド祭で、客席にいたところをディエゴ・デル・モラオに呼ばれて舞台に上がり、即興でブレリアを歌って客席を総立ちにさせた。主催者の公式映像は『ディエゴ・デル・モラオのギターでブレリア』(2026年9月3日)で、打ち合わせのない二人が、最初の一節でどうコンパスを合わせるかが見どころである。9月にはヘレス近郊グアダルカシンの「秋のフラメンコ」にも出演した。
  • 位置づけと入り方: 2012年のフラメンコラジオ賞は、彼を「ヘレスの最良の歌の伝統と若い世代をつなぐ鎖の輪」と評した。まず2011年の『ラ・パケーラのブレリア』で一族の声を、次に2013年の『ソレア・ポル・ブレリア』で彼自身の節回しを、最後に2026年9月の即興のブレリアでいまの声を聴くと、パケーラから続く線が見えてくる。

フラメンコギター工房だより

  • 全履歴を照合し、未紹介のスペイン国内の製作家として、セビリアのトリアナで工房を開いたアンドレス・ドミンゲス(Andrés Domínguez Guerrero)を取り上げる。今日のカンテ列伝のヘスス・メンデスと同じヘレス・デ・ラ・フロンテーラの出身で、1947年生まれと紹介されている。
  • 師と手本: 1965年、セビリアのギター製作家マヌエル・オルテガ・ソウサのもとで修業を始めた。専門店の紹介によれば、オルテガは、9月20日に紹介したマドリードの名工サントス・エルナンデスの仕事を手本に、彼にギター作りを教えた。いまもサントス・エルナンデスの設計を土台にした型で作っているという。
  • 弾き手でもある製作家: 12歳でフラメンコ・ギタリストとしてデビューし、40年以上、職業として弾いてきたとも紹介されている。専門店は、弾き手としての広い知識が楽器への理解をさらに深めたと書く。工房の開設は1970年とする紹介と、1979年にトリアナの「職人の家」に工房を構えたとする紹介があり、資料によって年が異なる。
  • 楽器の中身: 専門店が売った『1997年製フラメンコギター』(フラメンコ・ギターズ・フォー・セール)は、ドイツ松の表板、シープレスの側板と裏板、弦長655mm、12フレットの弦高3.2mm、ナット幅53mm、重さ1,430g、セラックを手で塗り重ねるフレンチポリッシュ仕上げ、機械式の糸巻きである。前日10月18日に紹介したグラナダのアントニオ・ラヤ・パルドの1982年製(弦長650mm、弦高2.6mm、1,380g)と比べると、弦長が5mm長く、弦高は0.6mm高く、50g重い。専門店は、低音が深くかき鳴らしに向き、高音が明るく澄んで伸びると評し、弦の張りは中くらいとしている。
  • 作り方と評価: すべて伝統的な手法で手作りし、年に作るのは15本ほどに限られるとされる。ルイス・F・レアル・ピナルの2004年の本『アンダルシアのギター製作家たち』は、彼に一章を割いている。ギター愛好家の掲示板では、歌と踊りの伴奏に向く軽い楽器という評も見られる。
  • トリアナとヘレスの間で: トリアナはグアダルキビル川を挟んでセビリアの旧市街の対岸にある、陶器職人とフラメンコの町である。ヘレスで生まれ、トリアナで工房を開いた弾き手が、マドリードの名工の設計を受け継ぐ。日本の職人が、師の型を写しながら自分の手の感覚で少しずつ変えていく「守破離」にも近い歩みである。

フラメンコのパロ解説

  • 今日のパロはカラコレス(Caracoles)。名は「カタツムリ」の意味で、歌の中で「カラコレス、カラコレス」と呼びかけるリフレインから来たと考えられている。アンダルシア州観光局の解説によれば、研究家ホセ・ブラス・ベガは、この歌の作り手を「ティオ・ホセ・エル・グラナイーノ」とする。闘牛の銛打ち(バンデリジェーロ)の仕事を失って歌い始めた人だったとする解説もある。前身として、1840年代の劇場歌『ラ・カラコレーラ』を挙げる説もあり、起源は一つに決まっていない。
  • 系統: カディス系の「カンティーニャ」の一つで、アレグリアス、ロメーラス、ミラブラスと同じ一群に属する。旋律はアレグリアスに近く、いくつかの句(テルシオ)はミラブラスに近い。9月29日のロメーラスの回で、同じ一群として名前だけ挙げたパロである。
  • マドリードの歌: カディスの歌の一群に属しながら、歌詞の舞台はマドリードである。19世紀末から20世紀初め、フラメンコの歌い手たちはマドリードのカフェ・カンタンテに集まり、深刻な歌の合間に明るい歌を求められた。歌詞には、当時のマドリードの街の暮らし、市場の人々、物売りの呼び声が出てくる。アンダルシア州観光局によれば、ヘレス生まれの大歌手アントニオ・チャコン(1869〜1929年)がマドリード滞在中に自分の版を作り、古い歌詞にあったラ・マンチャの町サンタ・クルス・デ・ムデラを、マドリードのアルカラ通りに置き換えた。
  • コンパス: 12拍のカンティーニャのコンパスで、強いのは3、6、8、10、12拍目である。「イチ、に、サン、し、ご、ロク、しち、ハチ、く、ジュウ、じゅういち、ジュウニ」と数える。実際の演奏では、アレグリアスと同じく12から数え始めることが多い。前半の1〜6拍は3拍ずつ二つに、後半の7〜12拍は2拍ずつ三つにまとまるので、前半はゆったり、後半は小刻みに弾む。パルマは強い拍で打ち、残りを弱く刻む。
  • 調性とコード進行: 長調の曲種で、ギターはCの位置で弾くのが基本である。アレグリアスがE、ほかのカンティーニャがEやAで弾かれるのに比べて、Cの響きは明るく勢いがある。和音は、主和音Cと属和音G7の往復を骨組みにし、句の途中でFが入ることもある。カポの位置は決まっておらず、歌い手の声の高さに合わせて決める。
  • レトラ(歌詞): カラコレスの歌詞は長く、物語のように続くので、歌い手が節を自由に入れ替えにくい。アンダルシア州観光局の解説も、即興の余地が少ない歌だと書く。いちばん有名な一節は、チャコンが歌った「アンダルシアの人たちが上り下りすると、アルカラの大通りはなんと輝くことか」である。南から首都へ出てきた人々の誇りを、マドリードの大通りに重ねた歌である。
  • カンテ、バイレ、ギターの聴きどころ: 歌は、長い歌詞を語るように運びながら、リフレインで一気に明るくはじける。踊りは、アレグリアスなどカンティーニャの踊りと同じく、明るい長調の中で、腕の大きな動きと軽い足技を組み合わせる。ギターは、Cの和音の明るい響きと、12拍の後半の小刻みな刻みで、歌と踊りを前へ押し出す。
  • 代表録音1: 『Caracoles: Como reluce』(アントニオ・チャコン、1928年録音の公式配信)。チャコンの晩年、1928年の録音である。約3分25秒で、「なんと輝くことか」の一節をどの高さまで上げ、どこで語りに戻すかを聴きたい。マドリードの劇場で磨かれた歌い方の手本である。
  • 代表録音2: アンダルシア公共放送の『カラコレス』(ナランヒート・デ・トリアナ、ギターはラファエル・リケーニ、1989年)。番組『La Puerta del Cante』の約6分の映像で、トリアナの歌い手が、9月12日と26日に紹介したリケーニの伴奏で歌う。歌の長い句の間に、リケーニのギターがどこで鳴りを止め、どこで短い合いの手を返すかに注目したい。チャコンの録音と比べると、語る部分の速さの違いがよく分かる。
  • 代表録音3(踊り): アンダルシア公共放送の『カラコレス』(踊りはアナ・マリア・ブエノ、2001年)。番組『La Venta del Duende』の約6分15秒の映像である。歌の長い句の間、踊り手が腕と上体でどう歌を受け、リフレインの明るさをどこで足技に変えるかに注目したい。長い歌詞を持つ歌を踊ることの難しさが見えてくる。
  • 似たパロとの聴き分け: アレグリアスとは、まず調で聴き分ける。ギターがEの位置で弾き、カディスの港や海を歌うのがアレグリアス、Cの位置で明るく、マドリードの通りを長い歌詞で語るのがカラコレスである。ミラブラスとは、リフレインで分ける。「カラコレス」の呼びかけが出てくればカラコレスである。

まとめ

  • 2026年10月19日のスペインは、ロルカに始まりロルカに戻った。グラナダの雨の鐘と、全国の映画館を満たしたロルカの影の映画。ジャズの和音をフラメンコに持ち帰るアルメリアのニーニョ・ホセレ、マドリード派の型を崩さずに「最小の身振り」を探るアルフォンソ・ロサ、パケーラの一族の声を即興のブレリアで響かせたヘスス・メンデス、ヘレスからトリアナへ渡った製作家、そしてマドリードの大通りを歌うカラコレスが並んだ。
  • 別れは「ノス・ベモス(Nos vemos)」。「また会おう」「またね」という、気軽な別れの言葉である。

参考ソース

  • 国内: El País「¿Se puede impedir votar a un español?」(2026年10月13日) https://elpais.com/espana/elecciones-generales/2026-10-13/se-puede-impedir-votar-a-un-espanol.html /El Mundo「El PP denuncia una "maniobra deliberada" de Exteriores…」(2026年10月18日) https://www.elmundo.es/espana/2026/10/18/6ad4c213fc6c83c1078b4575.html
  • 文化: El País「'La bola negra' adelanta a 'Torrente presidente'…」(2026年10月18日) https://elpais.com/cultura/cine/2026-10-18/la-bola-negra-adelanta-a-torrente-presidente-como-la-pelicula-espanola-mas-taquillera-de-2026-y-la-cuarta-en-el-listado-historico.html
  • 文化: El País「Viaje al Studio Ghibli…」(2026年10月18日) https://elpais.com/cultura/cine/2026-10-18/viaje-al-studio-ghibli-el-presente-lento-y-el-futuro-misterioso-de-la-animacion-eterna.html
  • フラメンコニュース: El País「Granada eleva a sagrado el recuerdo de Lorca」(2026年10月18日) https://elpais.com/cultura/2026-10-18/granada-eleva-a-sagrado-el-recuerdo-de-lorca.html /esMadrid「Suma Flamenca」 https://www.esmadrid.com/agenda/suma-flamenca /esMadrid「Gabriel Matías. Quitar lo superfluo」 https://www.esmadrid.com/node/109697 /esMadrid「Chano Domínguez」 https://www.esmadrid.com/agenda/chano-dominguez-teatros-canal
  • ギター列伝: CNDM 2013年11月15日公演プログラム(José María Velázquez-Gaztelu) https://cndm.inaem.gob.es/sites/default/files/events/hand_programs/af15nov13_njosele.pdf /Teatro Alhambra プログラム https://juntadeandalucia.es/cultura/teatros/sites/default/files/archivos/08_talh_pm_nino_josele_web.pdf /Wikipedia(英語)「Niño Josele」 /ExpoFlamenco「Fernando Trueba filma el gran viaje de la guitarra flamenca con la Bajañí de Niño Josele」 https://expoflamenco.world/fernando-trueba-filma-el-gran-viaje-de-la-guitarra-flamenca-con-la-bajani-de-nino-josele/ /Correio da Manhã「Brasil nas cordas de Bajañí」(2026年9月25日) https://www.correiodamanha.com.br/cultura/cinema/2026/09/321726-brasil-nas-cordas-de-bajani.html /World Music Central「Galaxias」 https://worldmusiccentral.org/guitar-master-nino-josele-to-release-his-new-album-galaxias-today/ /Planomató「Niño Josele」(リセウ公演) https://www.planomato.com/es/barcelona/p/concierto-nino-josele-barcelona
  • バイレ列伝: セビリア・ビエナル2022『Flamenco: Espacio Creativo』資料 https://www.femas.es/xxii-bienal-de-flamenco-sevilla-2022/archivos/dossier/dossier_flamencoespaciocreativo_alfonsolosa_es.pdf /Cardamomo「Alfonso Losa」 https://cardamomo.com/en/artist/alfonso-losa/ /セビリア・ビエナル2026 総合プログラム https://www.femas.es/bienal-de-flamenco/archivos/prog-general-diptico-a5-bienal-2026.pdf /Diario de Madrid「Alfonso Losa y Patricia Guerrero llenan de flamenco el Teatro Español…」 https://diario.madrid.es/blog/notas-de-prensa/alfonso-losa-y-patricia-guerrero-llenan-de-flamenco-el-teatro-espanol-tras-su-rotundo-exito-en-el-festival-de-jerez/
  • カンテ列伝: CNDM「Jesús Méndez」経歴 https://cndm.inaem.gob.es/sites/default/files/events/related_files/jesus_mendez.pdf /CNDM 2023年4月28日公演プログラム(Fermín Lobatón) https://cndm.inaem.gob.es/sites/default/files/2023-04/AF_28abril24Jes%C3%BAs%20Mendez%20y%20Diego%20del%20Morao.pdf
  • 工房: Flamenco Guitars for Sale「Flamenco guitar Andrés Domínguez 1997」 https://www.flamencoguitarsforsale.net/en/andres-dominguez-guitars/flamenco-guitar-andres-dominguez-1997/ /Guitar-list「Andrés Domínguez」 https://www.guitar-list.com/brands/andres-dominguez
  • パロ: Andalucía.org「Caracoles」 https://andalucia.org/en/caracoles-en /Flamenco chiavi in mano(ポッドキャスト)「Los caracoles」 https://www.spreaker.com/episode/154-los-caracoles-flamenco-chiavi-in-mano-podcast--72202454

← 2026-10-19 の一覧に戻る


音声合成: VOICEVOX / キャラクター: ずんだもん ・ 四国めたん