モントーヤの血を引くヘロニモ・マヤ、父の記憶を踊るアナ・モラレス、マラガの山の祭りベルディアーレス【2026/10/23】

2026-10-23 / スペイン便り


概要

親や師から受け継いだものを、自分の音や身振りに変えていく人たちの回です。ギタリスト列伝は、ラモン・モントーヤの直系で、11歳でカーネギー・ホールのサビーカス讃に立ち、10月25日にスマ・フラメンカで『Gitano errante』を弾くマドリードのヘロニモ・マヤ。バイレ列伝は、バルセロナ生まれでセビリアに渡り、父の記憶を作品にした国民舞踊賞の踊り手アナ・モラレス。カンテ列伝は、叔父に連れられて歌い始め、2014年にランパラ・ミネラを取ったヘレスのダビ・ラゴス。工房だよりは、セビリア近郊マイレナ・デル・アルハラフェの父子の工房。パロ解説は、マラガの山の村の楽団「パンダ」が守ってきた3拍子のベルディアーレスを数えます。今日のスペイン語は「デ・タル・パロ、タル・アスティージャ(子は親に似る)」。

▼ 今日のトピック ・ヨーロッパの一夏の暑さによる死者が過去最多、スペインでは5,200人以上 ・ジュリアン・バーンズ、オビエドで『ラ・レヘンタ』の創作メモと対面(アストゥリアス皇女賞授賞式は10月23日) ・1927年世代を育てた詩誌『リトラル』が刊行を終える ・エル・ビソ・デル・アルコル、50年前に持ち出されたレパントの海戦ゆかりの教皇勅書が戻る ・ビバ・ベルグラード、新作『Mientras el Guadalquivir fluye y fluye y fluye』 ・マラガ県の秋のペーニャ(リンコン・デ・ラ・ビクトリア、ベナルマデナ)/トメジョソ「ポサダ・フラメンカ」の世代交代/フエンテ・デ・カントス「秋のフラメンコ」 ・ギター列伝: ヘロニモ・マヤ ・バイレ列伝: アナ・モラレス ・カンテ列伝: ダビ・ラゴス ・工房だより: アントニオ・J・ガルシアとダリオ・ガルシアの父子工房(マイレナ・デル・アルハラフェ) ・パロ解説: ベルディアーレス

▼ 関連リンク(アーティスト・パロ・工房) ・ヘロニモ・マヤ『A Mi Mara(シギリージャ)』1990年製ミゲル・ロドリゲス(ギター・サロン・インターナショナル公式) https://www.youtube.com/watch?v=8md71Zwd-Dc ・ヘロニモ・マヤ『Tablao De La Morería(ブレリア)』1970年製ホセ・ラミレス(ギター・サロン・インターナショナル公式) https://www.youtube.com/watch?v=bTwRoUE4RnA ・ヘロニモ・マヤ&フェリペ・マヤ『Con mi maestro』(ソレラ・フラメンカ公式) https://www.youtube.com/watch?v=mrOz9k8vNlQ ・エルダル・アッカヤ&ヘロニモ・マヤ『Flamenkoanatolia』2020年(カラン・ミュジク公式) https://www.youtube.com/watch?v=a4Pzs0C8nls ・アナ・モラレス『Rapsodia. Fantasía subterránea』紹介映像 2026年(セビリア市役所公式) https://www.youtube.com/watch?v=HJMS2PKuyXA ・アナ・モラレス『ソレア』(『Una mirada lenta』より)2017年(エル・ドラード公式) https://www.youtube.com/watch?v=Vw1rAFFw0FE ・アナ・モラレス、カサ・パタス 2016年(カサ・パタス公式) https://www.youtube.com/watch?v=N3GNJ8UPsoo ・アナ・モラレス、フラメンコ・フェスティバル・ロンドン 2022年(国際フラメンコ祭公式) https://www.youtube.com/watch?v=v8TlOiZ8jIA ・ダビ・ラゴス&アルフレド・ラゴス『シギリージャ』2018年(エル・ドラード公式) https://www.youtube.com/watch?v=vCw8SzBD-wU ・ダビ・ラゴス『チャノ・ロバトに捧げるカディスの小唄』2014年(アンダルシア公共放送) https://www.youtube.com/watch?v=uJy9fdv4Blc ・ダビ・ラゴス『Cantes del Silencio』セビリア・ビエナル 2022年 https://www.youtube.com/watch?v=tBbEAbYizh4 ・ダビ・ラゴス&オランダ管楽合奏団『Vientos Flamencos』2025年(フラメンコ・ビエンナーレ・オランダ公式) https://www.youtube.com/watch?v=v02I1HTl_5U ・ダビ・ラゴス『Como el toro』2025年(エル・ドラード公式) https://www.youtube.com/watch?v=jcK7S23ixbM ・ヘロニモ・マヤ『Corazón Maya』2025年製ダリオ・ガルシア「フラメンコ・ネグラ」(ギター・サロン・インターナショナル公式) https://www.youtube.com/watch?v=zEniL_5SFeU ・アントニオ・J・ガルシア 2018年製フラメンコギター https://www.flamencoguitarsforsale.net/en/antonio-j-garcia-guitars/flamenco-guitar-antonio-j-garcia-2018/ ・ベルディアーレス、1988年の大祭のパンダ・アルモヒア(マラガ県パンダ連盟公式) https://www.youtube.com/watch?v=qMRxwYacQE4 ・フアン・ブレバ『En el pinar del amor(ベルディアーレス)』(公式配信) https://www.youtube.com/watch?v=LloLA6pydog ・アンヘル・デ・アローラ『Verdiales de Juan Breva』1969年(公式配信) https://www.youtube.com/watch?v=yWsuPfs-orA ・エンカルナ・アニージョ『マラゲーニャとベルディアル』2008年 https://www.youtube.com/watch?v=GwYKog3ffAU

▼ 参考記事・ソース ・El País「Julian Barnes, cara a cara con ‘La regenta’ en Oviedo」 https://elpais.com/cultura/2026-10-22/julian-barnes-cara-a-cara-con-la-regenta-en-oviedo.html ・El Mundo「Cierra ‘Litoral’, la revista que fue germen de la Generación del 27」 https://www.elmundo.es/cultura/literatura/2026/10/22/6ada54a3e85eced60b8b4581.html ・El Mundo「La Guardia Civil recupera en Sevilla una bula papal del siglo XVI…」 https://www.elmundo.es/cultura/2026/10/22/6ad4a6c4fdddff294d8b4581.html ・El Mundo「Viva Belgrado: “Este nuevo disco es lo más mainstream que hemos hecho…”」 https://www.elmundo.es/cultura/musica/2026/10/22/6ad25c1cfdddffac738b4591.html ・La Noción「Rincón de la Victoria programa seis noches de flamenco…」 https://www.lanocion.es/rincon-de-la-victoria/20261022/rincon-de-la-victoria-programa-seis-noches-de-flam-4c894.html ・Surco CLM「El Festival Posada Flamenca volverá a reunir en Tomelloso…」 https://surcoclm.com/noticias-por-provincias-clm/ciudad-real/el-festival-posada-flamenca-volvera-a-reunir-en-tomelloso-a-destacadas-figuras-del-cante-el-baile-y-la-guitarra-el-proximo-7-de-noviembre/

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スペイン文化・フラメンコ便り(2026年10月23日)

オープニング:2026年10月23日 — スペイン文化・フラメンコ便り

  • 今日のスペイン語は「デ・タル・パロ、タル・アスティージャ(De tal palo, tal astilla)」。直訳は「あの棒にして、この木っ端」。木っ端は元の木と同じ木目をしている、つまり「子は親に似る」ということわざで、日本語の「蛙の子は蛙」に近い。「パロ」はフラメンコの曲種を指す言葉でもある。
  • 今日の軸は、親や師から受け継いだものを、自分の音や身振りに変えていく人たちである。ギタリスト列伝は、ラモン・モントーヤの血を引き、11歳でカーネギー・ホールに立ったマドリードのヘロニモ・マヤ。バイレ列伝は、バルセロナ生まれで、父の記憶を舞台にしたアナ・モラレス。カンテ列伝は、叔父に連れられて舞台に上がったヘレスのダビ・ラゴス。工房は、父と息子で作るセビリア近郊の工房。パロ解説は、マラガの山の祭りから来たベルディアーレスを数える。

スペイン国内ニュース

  • エル・ムンド紙は10月23日、ヨーロッパで一夏の暑さによる死者が5万300人を超え、過去最多になったとする研究を報じた。死者の3分の2は人間活動による気候変動が原因とされ、スペインでは5,200人以上が「避けられたはずの死」だった。バルセロナとマドリードは、ヨーロッパで最も被害の大きい都市に入った。昼の暑さを避けるシエスタの国でも、都市の熱からは逃げ切れなかった。

文化・芸能ニュース

  • ジュリアン・バーンズ、オビエドで『ラ・レヘンタ』と対面: アストゥリアス皇女賞の授賞式は今日10月23日(金)、オビエドのカンポアモール劇場で開かれる。文学部門の英国の作家ジュリアン・バーンズは前日の22日、フォンタン広場のラモン・ペレス・デ・アヤラ図書館で、19世紀の作家クラリン(レオポルド・アラス)の大作『ラ・レヘンタ(裁判所長夫人)』の創作メモを見た。案内したのは、クラリンのひ孫アナ・クリスティナ・トロイバル・アラスである。1884年と1885年に2巻で出たこの小説の原稿は、出版地バルセロナで行方が分からなくなった。残るメモからは、クラリンが題名を『ベトゥスタ』(オビエドを思わせる架空の町)にするか迷ったこと、名高い書き出し「英雄の町は昼寝をしていた」の前に「英雄の町は床に就こうとしていた」と書いて消したことが分かる。エル・パイス紙によると、バーンズは20日、2,000人の読書会の会員の前で「世界の偉大な小説の一つ」と語り、フローベールの『ボヴァリー夫人』やトルストイの『アンナ・カレーニナ』と並べた。英語圏の読者は、オックスフォード大学の研究者ジョン・ラザフォードの英訳が出るまで、およそ100年待たされた。クラリンが市議会議員として、劣悪な劇場の代わりに建設を後押ししたのが、今日の会場のカンポアモール劇場である。同じ式では、10月19日に紹介したスタジオジブリもコミュニケーション・人文学部門の賞を受ける。
  • 『リトラル』、100年目を前に閉じる: エル・ムンド紙は10月22日、1927年世代の詩人たちを育てた詩誌『リトラル(Litoral)』が刊行を終えると報じた。1926年、詩人エミリオ・プラドスとマヌエル・アルトラギレがマラガで創刊し、創刊号にはロルカ、ホルヘ・ギジェン、ヘラルド・ディエゴらが寄稿した。プリモ・デ・リベラ独裁の時代に生まれ、共和国で根を張り、内戦を生き延び、亡命先で続き、民主化の少し前の1968年にマラガへ戻った。協力者にはロルカ、アルベルティ、ピカソがいた。今年5月にはマラガで100周年の展覧会「リトラル、100年」が開かれ、現編集長ロレンソ・サバルのもとで、11月の創刊記念日まで祝いが続く予定だった。今日のパロ解説と同じマラガの、もう一つの「歌」の歴史が区切りを迎える。
  • 50年前に持ち出された教皇の勅書が戻る: セビリア県エル・ビソ・デル・アルコルの教区教会サンタ・マリア・デル・アルコルに、教皇ピウス5世の時代に与えられた16世紀の勅書を、治安警察が取り戻した。勅書は、町の領主で第4代カステジャール伯のフェルナンド・アリアス・デ・サアベドラと、町の男たちが加わった1571年のレパントの海戦に結びついている。エル・ムンド紙によると、町の住民が子どものころ教会から持ち出し、50年以上自宅に置いていた。2024年10月に捜査が始まり、この住民は今年9月2日の聴取のあと、折りたたんだ羊皮紙を自ら差し出した。「守り、保存するため」に持ち帰ったと説明し、売ろうとしたことは一度もないという。勅書はセビリア県歴史文書館に預けられ、ヴァチカン使徒文書館に残る登録の写しで本物と確かめられた。
  • ビバ・ベルグラード、グアダルキビル川の新作: コルドバのインディー・バンド、ビバ・ベルグラードは今日10月23日、5作目のアルバム『Mientras el Guadalquivir fluye y fluye y fluye(グアダルキビル川が流れ、流れ、流れるあいだに)』を出す。ハードコアから旋律的な歌へ広がった一枚で、制作はリッキー・フォークナー。冒頭曲『Un andalucito más(もう一人のアンダルシアっ子)』が最初の先行曲で、『Menquitofla』は「フラメンキート」(フラメンコ風の軽い大衆歌謡)を作り直した曲である。歌のカンディド・ガルベスは音楽誌DODマガジンで「アンダルシア的なものを入れたのは、はっきり意図してのこと」「年をとるにつれて、旅は内側へ向かい始める」と語った。エル・ムンド紙の取材では、「これまでで一番メインストリームな作品なのに、親たちはいまでも悪魔的だと思っている」「あとは音楽で食べていけるようになるだけ」と話している。コルドバの若者が、親の世代が眉をひそめる音で、故郷の川と言葉を歌い直す。

フラメンコニュース

  • マラガ県、秋のペーニャの季節: マラガ東隣のリンコン・デ・ラ・ビクトリアでは、マラガの歌い手エル・ピヤージョの名を冠したペーニャ(愛好家の会)が、「秋のリサイタル」を組んだ。10月24日の会員の日で、ギターの研究家ホセ・レイナ・アモレスを讃えたあと、10月31日から12月5日まで毎週土曜21時30分に6夜が続く。初夜は踊り手ラファエル・ラミレスの一座で、11月21日には歌い手チャト・デ・マラガ、12月5日にはマリ・ペーニャ(ギターはアントニオ・モヤ)が立つ。主催はペーニャと町役場で、マラガ県とマラガ県ペーニャ連盟が協力する。マラガの西のベナルマデナでは、ペーニャ「ラ・レポンパ」が11月13日から20日まで第14回フラメンコ週間を開く。11月17日の第9回ギター祭には、10月18日のギタリスト列伝で紹介したヘスス・ゲレーロが独奏で出演し、19日にはラ・ニーニャ・デ・ラ・プエブラを描くレメディオス・マルバレス監督の記録映画『Acuérdate de mí(私を覚えていて)』が上映される。ベナルマデナの町報によると、この週間は、2010年11月16日にユネスコがフラメンコを無形文化遺産にしたことにちなんで2012年に始まった。町では1968年に、ホテル・アライでフラメンコ芸術祭が開かれた歴史もある。
  • ラ・マンチャのトメジョソ、主催の世代交代: シウダ・レアル県トメジョソの「ポサダ・フラメンカ」は、11月7日(土)20時30分に市立マルセロ・グランデ劇場で16回目を迎える。15回続けた文化協会「グルポ・アマネセル」から、ペーニャ「ロス・デ・モントーヤ・イ・チャコン」が運営を引き継いだ。会の名は、ギターのラモン・モントーヤと歌のアントニオ・チャコンから取っている。出演は、10月16日のカンテ列伝で紹介したエセキエル・ベニテス(ギターはパコ・レオン)、歌い手パキ・レドンド(ギターはルイス「カルデリート」)、踊り手ヨランダ・オスナ。第1回から司会を務めてきたフアン・オルテガは、今回で役を降りる。券は10ユーロ。ペーニャ代表のマリ・カルメン・ロマスは、目的は創設時から「フラメンコを広め、育てること」だと語った。
  • エストレマドゥーラ、今夜から「秋のフラメンコ」: バダホス県フエンテ・デ・カントスでは、第23回「秋のフラメンコ」が今夜10月23日に始まる。24日、30日、31日と合わせて4夜、町の団体センターの市立劇場で21時30分に開演し、アリシア・ヒルの『Mar de Mareas(潮の海)』などを経て、最後はフラメンコ・フェスティバルで締める。4夜通しの券は15ユーロで、町のスルバラン博物館・解説センターで売る。この町は、17世紀の画家フランシスコ・デ・スルバランの生まれ故郷である。
  • アンダルシアの外のペーニャ: 今日の3件のうち、本場アンダルシアにあるのはマラガ県の町だけで、残る二つはラ・マンチャとエストレマドゥーラの小さな町である。フラメンコはアンダルシアの芸能だが、アンダルシアの人々が「国の顔」として首都に取り込まれることに複雑な思いを抱く一方、隣の地方の町々では、ペーニャが地元の文化として半世紀近く守ってきた。運営を若い会へ渡すトメジョソの例は、日本の地方の祭りの保存会が抱える後継ぎの悩みとも重なる。

フラメンコギタリスト列伝

  • 今日の一人はヘロニモ・マヤ(Jerónimo Maya)。1977年、マドリードのヒターノ(ロマ)の家に生まれた。フラメンコ専門誌デフラメンコの紹介によると、父フェリペ・マヤは職業ギタリストで、大叔父の歌い手リカルド・ロサダ「エル・ジュンケ」から、フラメンコの何たるかを教わった。本人の公式プロフィールは、近代のフラメンコ独奏ギターを切り開いたラモン・モントーヤ(1879〜1949年)の直系の子孫だと書いている。
  • 学びの形: 5歳でギターを始め、7歳のとき、いまはない「クンブレ・フラメンカ」の催しでマドリードで初めての演奏会を開いた。マドリード王立高等音楽院で学びながら、父と一族から伝統を受け継いだ。デフラメンコによると、「神童」として売り出されないよう、人前に出る機会はわざと少なくしていた。
  • 転機1(1989〜1990年、サビーカスとの縁): 1989年、ニューヨークのカーネギー・ホールで開かれたサビーカス讃の公演に、パコ・デ・ルシア、エンリケ・モレンテとともに招かれた。2025年の公演資料で作家ホアキン・アルバイシンは、11歳での出演と書いている。サビーカスとは親しい間柄で、1990年にサビーカスが亡くなると、ナバラのオリテの祭りの追悼公演でマノロ・サンルーカルと並んで弾いた。マラガの闘牛場では、カマロン・デ・ラ・イスラと同じ公演にも出ている。
  • 転機2(1999〜2004年、独奏者として): 1999年5月、マドリードの芸術サークル(シルクロ・デ・ベジャス・アルテス)で若手に贈られる「テアトロ・パボン杯」を受けた。2001年11月にはマドリードのテアトロ・レアルで、歌のホセ・メネセ、ヒネサ・オルテガ、ギターのエンリケ・デ・メルチョールと『De mis soledades vengo(わが孤独から来た)』に出演し、2003年11月にはロンドンのクイーン・エリザベス・ホールで独奏会を開いた。2003年には歌い手パコ・デル・ポソの盤『Vestido de luces』を、サックスのホルヘ・パルドと共同で制作した。2004年の初のソロ盤『Jerónimo』では、ソレア、シギリージャ、グラナイーナ、ブレリア、ロンデーニャ、タンゴを、古典の弾き方に現代的なひねりを加えて弾いた。歌の伴奏では、ディエゴ・エル・シガラ、チャノ・ロバト、エスペランサ・フェルナンデス、エストレージャ・モレンテ、そして大叔父リカルド・ロサダを支えてきた。
  • 転機3(2010年代、トルコへ): トルコの弦楽器バーラマの奏者エルダル・アッカヤと組み、「フラメンコ・アナトリア」の名で共作を重ねた。2020年にはトルコのレーベル、カラン・ミュジクから共作盤『Yel İzi(風の跡)』を出した。フラメンコの旋律とアナトリアの旋法が、同じ指板の上で出会う試みである。
  • 転機4(2023年、『Pureza y Solera』): 2023年、ギター専門店ソレラ・フラメンカのレーベルから『Pureza y Solera(純粋さと年輪)』を出した。スタジオで一発録りし、伴奏はフアン・マテオスが机などを指の関節で叩く拍だけ。編曲も重ね録りもない、ギター1本への「原点回帰」である。9曲は『Corazón Maya(ブレリア)』『La Alegría de mi María(アレグリアス)』『Soleá p'a mi Compadre(ソレア)』『Mara(シギリージャ)』『Tango a Lucas(タンゴ)』『Mi Leo(タランタ)』など、家族や仲間の名を題にした曲が並ぶ。7曲目『Con mi maestro(師匠と)』では、フェリペ・マヤ・ロサダと二人で弾いている。
  • 代表作1(シギリージャ): ギター・サロン・インターナショナル公式の『A Mi Mara(シギリージャ)』(1990年製ミゲル・ロドリゲスで演奏、2025年)。米国の専門店のショールームで録った約12分40秒の独奏で、残響を足さない録音である。シギリージャは、短い拍と長い拍が交じる5つの区切りで進む重い曲種。その長い拍の終わりに親指の低音をどう落とし、次の句までの沈黙をどれだけ待つかを聴きたい。表板スプルース、裏と横がシープレスのギターの、乾いた立ち上がりも分かる。
  • 代表作2(ブレリア): 同じくギター・サロン・インターナショナル公式の『Tablao De La Morería』(1970年製ホセ・ラミレス1Aで演奏、2025年)。マドリードの名門タブラオの名を題にした約4分のブレリアで、表板はシダーである。速い単音の走句(ピカード)のあとに、かき鳴らしで句をぴたりと閉じる所に注目すると、踊りの伴奏を知り尽くした人の拍の感覚が分かる。代表作1と聴き比べると、楽器が変わっても音の芯が同じなのも面白い。
  • 代表作3(師匠との二人弾き): ソレラ・フラメンカ公式の『Con mi maestro(フェリペ・マヤと)』。『Pureza y Solera』の7曲目として2022年9月に公開された約4分半のブレリアである。二人がファルセータ(ギターの旋律の節)を交互に受け渡す所と、片方が刻みに回るときの音量の引き方を聴くと、家の中で受け継がれてきた伴奏の作法が見えてくる。
  • 代表作4(トルコとの対話): トルコのレーベル公式の『Flamenkoanatolia』(エルダル・アッカヤと、『Yel İzi』2020年)。約5分の曲で、作曲と編曲は二人の共同、即興の言葉はマヤである。金属弦をはじくバーラマの細く鋭い音と、ナイロン弦のギターの太い音が、同じ旋律をどこで分け合い、どこで追いかけ合うかに耳を澄ませたい。
  • 技法の比較: 本人の公式プロフィールは、彼の演奏を「技巧的で個性に満ち、複雑な和声と時代の先を行く音楽の構想を持つ」と評する。10月19日のニーニョ・ホセレが、ビル・エバンスのジャズの和声を学んでフラメンコの響きを広げたのに対し、マヤは東へ向かい、トルコの旋法やバルカンの歌謡と、ギター1本で対話してきた。そのうえで『Pureza y Solera』では、余計なものを全部外し、指の関節の拍だけを頼りに弾いた。10月17日のアレハンドロ・ウルタドが巨匠たちの古い曲を掘り起こしたのとは違い、マヤは自分で書いた曲で、モントーヤ以来の独奏ギターの系譜をつないでいる。
  • 楽器との付き合い: 米国の専門店は、2025年に、1970年のラミレス、1990年のミゲル・ロドリゲス、2025年のテオドロ・ペレス、そして今日の工房だよりで紹介する若い製作家ダリオ・ガルシアのギターを、次々とマヤに弾かせて映像にした。名手の手が、50年以上の時代差のある楽器から、それぞれの声を引き出していく。
  • いま(『Gitano errante』): 10月25日(日)19時、マドリード州の祭典スマ・フラメンカで、バジェカス地区のピラール・ミロ文化センターに『Gitano errante(さすらうヒターノ)』で出演する。ギターはヘロニモとフェリペ・マヤ、打楽器はモスキート、特別ゲストにサックスとフルートのホルヘ・パルド。2025年9月にマドリードのサラ・ビジャノスで初演した作品で、フラメンコ、トルコ音楽、バルカンの歌謡セヴダ、ジャズをたどる。アルバイシンの解説文には「さすらいの暮らしは、道を誤ることと同じではない」という一文がある。料金は6ユーロ。10月7日には、メキシコのサン・ルイス・ポトシで、メキシコのギタリスト、レオ・トレーゲルと「二本のギター、一つの世界」と題して共演した。
  • 位置づけと入り方: モントーヤとサビーカスが作った「独奏ギター」の道を、一族の家の中の伝統と、トルコやジャズとの対話の両方で受け継いできた人である。まず『A Mi Mara』でシギリージャの重い間を、次に『Con mi maestro』で一族の弾き方を、最後に『Flamenkoanatolia』で異なる弦楽器との対話を聴くと、家の中から世界へ伸びる線がつかめる。

フラメンコバイレ列伝

  • 今日の一人はアナ・モラレス(Ana Morales)。1982年、バルセロナ生まれ。父はセビリア、母は北アフリカのスペイン領メリリャの出身である。バルセロナの音楽院で踊りを学び始め、16歳でセビリアへ移って、アンダルシア舞踊団の3年間の奨学生になった。ホセ・アントニオ・ルイス、ラファエル・カンパージョ、フアナ・アマヤ、エバ・ジェルバブエナ、イサベル・バヨン、アンドレス・マリンに学んだ。2026年9月のフラメンコ専門誌エクスポフラメンコは、彼女を「1982年のバルセロナっ子だが、いまやセビリアの古い広場アラメダよりセビリアらしい」と紹介した。
  • 転機1(2000〜2009年、舞踊団の時代): 2000年、セビリア・ビエナルのマエストランサ劇場で、アントニオ「エル・ピパ」の作品『Puntales』でデビューした。2001年からアンダルシア舞踊団で踊り、ハビエル・ラトーレやアンドレス・マリンの作品に加わり、2005年にはカルロス・サウラ監督の映画『イベリア』にも出た。バレエ・フラメンコ・デ・アンダルシアではソリストを務めた。2009年、ラ・ウニオンのカンテ・デ・ラス・ミナス国際祭で、踊りの最高賞「エル・デスプランテ」を受けた。
  • 転機2(2010〜2017年、自分の作品へ): 2010年の『De Sandalia a Tacón(サンダルからヒールへ)』で自分の作品を作り始め、2012年のビエナルでは古いものを再利用して新しいものを作る『reciclARTE』を発表した。2015年の『Los pasos perdidos(失われた足跡)』は、物語を持たない踊りの組曲で、10月15日のバイレ列伝のダビ・コリアが振付を手伝った。このとき本人は、「踊り手はいつも、自分がクラシックなのかフラメンコなのかで揺れている。私は両方だと感じる。でも自分を表現させてくれるのはフラメンコ」と語っている。
  • 転機3(2018〜2022年、父の記憶と国の賞): 『Sin permiso. Canciones para el silencio(許しなしに、沈黙のための歌)』は、父の思い出と、父とアンダルシア、フラメンコとの結びつきをたどる作品で、セビリア・ビエナルの踊りのヒラルディージョ賞を受けた。2019年3月1日、ヘレス・フェスティバルのビジャマルタ劇場での上演を、批評家エステラ・サタニアは「音楽のない打音と足技が多い」と書く一方、歌い手フアン・ホセ・アマドールの歌でシギリージャを踊る場面を「私たちが心から感じたいフラメンコに浸る」と評した。2022年6月にはロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場でも上演した。同じ2022年、国民舞踊賞の演技部門を受け、創作部門のアンドレス・マリンと同時の受賞になった。
  • 代表作1(最新作): セビリア市役所公式の『Rapsodia. Fantasía subterránea』紹介映像(2026年8月)。約2分の映像で、9月13日と14日にセビリア・ビエナルで初演された新作の稽古と構想が分かる。セビリアの地下へ降りていく「下降」「迷宮」「扉、出口」の三部構成で、腕と上体をゆっくりほどく動きと、床へ沈む重心の低さに注目したい。
  • 代表作2(ソレア): バルセロナのフラメンコ協会エル・ドラード公式の『ソレア』(『Una mirada lenta』より、2017年3月30日、バルセロナ)。約11分半の映像で、歌はミゲル・オルテガ、ギターはラファエル・ロドリゲス。題名どおり「ゆっくりしたまなざし」で、ソレアの12拍の区切りを急がずに使い、腕を止める瞬間と、足技を一気に打ち込む終盤との落差を見てほしい。生まれた町バルセロナへ、セビリアで磨いた踊りを持ち帰った夜でもある。
  • 代表作3(タブラオの近さ): マドリードのカサ・パタス公式の『カサ・パタス、フラメンコ・エン・ビボ #258』(2016年10月8日)。約7分の抜粋で、ギターはホニ・ヒメネスとアントニオ・サンチェス、歌はフアン・ホセ・アマドール「エル・ペレ」とペペ・エル・ボカイージョ。狭い舞台で、上体の構えを保ったまま足技を刻む所と、ブラソ(腕の動き)が音の切れ目で止まる瞬間が見どころである。
  • 代表作4(ロンドンの路上): 国際フラメンコ祭公式の『Flamenco Festival London 2022 | Ana Morales』。サドラーズ・ウェルズ劇場での『Sin permiso』上演に合わせ、ロンドンの街角で踊った約40秒の映像である。劇場の外の石畳で、靴音がどう響くかを聞いておくと、舞台の床の音の違いが分かる。
  • 最新作『Rapsodia』: 音楽監督は、前衛的な歌い手ニーニョ・デ・エルチェ。ギターは10月7日のギタリスト列伝で紹介したマノロ・フランコ、サックスと電子音はホセ・ベンディッティ、劇作と文章はエンリケ・フエンテブランカである。16〜17世紀のセビリアを舞台に、聖フアン・デ・ラ・クルスの詩、セビリアの作曲家クリストバル・デ・モラレスらのルネサンス音楽、そしてカタルーニャのチェロ奏者パウ・カザルスの『鳥の歌』が使われた。チケットは2公演とも完売した。本人はアンダルシアの地方紙ラ・ボス・デル・スルに「自分のはらわたへ深く降りていく旅の比喩」「自伝のつもりはなく、まったくの空想」と語った。
  • 技法と比較: クラシック・バレエとフラメンコの両方を学んだ体が、彼女の踊りの土台である。10月19日のアルフォンソ・ロサがマドリード派の型の内側で新しい組み立てを探し、10月16日のアンドレス・マリンが型そのものを崩したのに対し、モラレスは、即興で見つけた動きを、フラメンコの曲種の型に流し込む。音楽家の扱いも独特で、エクスポフラメンコの取材に「音楽家には企画に加わるのではなく、企画そのものになってほしい」と答えた。
  • 本人の言葉: 同じ取材で、「人の意見に影響は受けるが、止められはしない」「フラメンコには一生興味を持ち続けるだろう」「この小さな世界で、自由でいようとしている」と語っている。
  • 位置づけと入り方: カタルーニャで生まれ、アンダルシアで鍛えられ、父の記憶を作品にした踊り手である。まず2017年の『ソレア』で伝統の型の中の「ゆっくりしたまなざし」を、次にカサ・パタスで近い距離の足技を、最後に『Rapsodia』の紹介映像で地下へ降りるいまの関心を見ると、彼女が型と自由の間で踊り続けていることが分かる。

フラメンコカンテ列伝

  • 今日の一人はダビ・ラゴス(David Lagos)。1973年、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ。歌の名門地区サンティアゴやサン・ミゲルではなく、人口の多いラ・グランハ地区で育った。国立音楽普及センター(CNDM)の資料によると、母方のアギラール家は農場で働く人々の一族で、集まりではいつも歌が出た。叔父アルバロ(2015年、踊りの伴唱をしていた日本で死去)とフランシスコ(アギラール・デ・ベヘール)が職業歌手になり、兄は10月14日のギタリスト列伝で紹介したアルフレド・ラゴスである。
  • 本人の言葉(始まり): 2022年のエクスポフラメンコの映像取材で、こう語った。「プロになろうとは考えもしなかった。叔父のアルバロが、祭りの席に私を呼ぶようになった。舞台に上がるなら最高の自分を見せなければと思い、マイレナを聴き、地元の古い歌い手たち、トーレ、チャコンを聴いて猛勉強する時間が始まった。分からないものもあったが、音は体に入ってきた」。
  • 転機1(1993〜2007年、舞踊団の歌い手): アンダルシア公共放送の記録によると、1993年、カルメン・モタの舞踊団でアラブ諸国を回ったのが初の海外公演だった。その後、クリスティナ・オヨスの『Arsa y toma』『A compás del tiempo』で欧州と米州を回った。イスラエル・ガルバン、マヌエラ・カラスコ、メルセデス・ルイス、ダビ・コリアの舞台で歌い、2002年のセビリア・ビエナルで地元紙エル・コレオ・デ・アンダルシアの新人賞、2007年のヘレス・フェスティバルで「踊りの後ろの歌(カンテ・デ・アトラス)」の批評家賞を受けた。
  • 転機2(2014年、ランパラ・ミネラ): 2009年に初の盤『El espejo en que me miro(私を映す鏡)』を出し、2014年の『Mi retoque al cante jerezano(ヘレスの歌への私の手直し)』では、ヘレスの先人の歌を調べ直して自分の歌に作り替えた。2014年8月16日、ラ・ウニオンのカンテ・デ・ラス・ミナス国際祭で最高賞ランパラ・ミネラを取り、アレグリアス、シギリージャ、マラゲーニャ、カルタヘネーラの各部門でも受賞した。デフラメンコ誌の批評は「歌は喉だけでなく体全体でするもの」と書いた。
  • 転機3(2019〜2022年、電子音と記憶): 2019年の『Hodierno(今日の)』では、物売りの呼び声「プレゴン」を取り入れ、電子音の伴奏を早くから使った。この音楽は、10月15日に紹介したダビ・コリアの受賞作『¡Fandango!』の土台にもなった。2022年9月11日、セビリア・ビエナルで『Cantes del silencio(沈黙の歌)』を初演した。歴史家ミゲル・ゴンサレスの台本で、19世紀の秘密結社事件「マノ・ネグラ」、内戦中のマラガ街道での避難民虐殺「ラ・デスバンダ」、「アンダルシアのゲルニカ」と呼ばれたラ・サウセダの爆撃、1936年のクーデター後に殺されたヘレスのブドウ栽培者セバスティアン・オリバを歌った。本人は「記憶がなければ歴史はない。現在も未来もない。語らなければ、いや、歌わなければ」と語った。同じ2022年2月には、アンダルシア・フラメンコ賞を受けている。
  • 代表作1(兄弟のシギリージャ): バルセロナのフラメンコ協会エル・ドラード公式の『シギリージャ』(兄アルフレド・ラゴスのギターで、2018年6月21日)。約6分20秒の映像である。シギリージャの重い5つの区切りの上で、声をのどの奥でためてから一気に放つ所と、兄のギターが歌の息継ぎにどれだけぴたりと寄り添うかを聴きたい。
  • 代表作2(カディスの軽い歌): アンダルシア公共放送の記録映像『チャノ・ロバトに捧げるカディスの小唄』(2014年5月21日)。カナル・スール・ラジオの公開録音「フォロ・フラメンコ」の約4分の映像で、カディスの明るい歌の名手チャノ・ロバトへの敬意を込めて歌う。シギリージャの重さとは逆に、言葉を跳ねさせる軽い節回しと、客席の笑いを誘う間合いに注目すると、彼の歌の幅が分かる。
  • 代表作3(沈黙の歌): セビリア・ビエナルの映像班が撮った『Cantes del Silencio』(セビリア・ビエナル、2022年)。約5分の映像で、ギターはアルフレド・ラゴス、ピアノとクラヴィコードはアレハンドロ・ロハス=マルコス、サックスはフアン・M・ヒメネス、歌のゲストにメルチョラ・オルテガ、踊りにイサベル・バヨン。伝統の節を保ったまま、鍵盤楽器とサックスの響きの中で声がどこまで裸になるかに注目したい。
  • 代表作4(オランダの管楽合奏と): アムステルダムのフラメンコ・ビエンナーレ公式の『Vientos Flamencos(フラメンコの風)』(オランダ管楽合奏団と、2025年10月12日)。約8分の映像で、作曲家フロリアン・マグヌス・マイアーが、フラメンコとクラシック、メタルを混ぜた曲を書き、踊り手ウルスラ・ロペスが即興で加わる。管楽器の厚い和音の上で、歌がコンパスを失わずに浮かび上がる瞬間が聴きどころである。
  • 声と比較: 10月19日のヘスス・メンデスがサン・ミゲル地区の一族の声の「力と存在感」を受け継ぎ、10月16日のエセキエル・ベニテスが「短く、まっすぐ魂へ届く」歌に徹するのに対し、ラゴスは同じヘレスの歌を、調べ、作り替え、電子音や管楽器の中へ持ち出す。CNDMの資料は彼を、歌を「絶えず見直し、更新し、単調さから逃げる」歌い手と書く。本人は「意味があると分かる限り、偏見は持たない」と言う。
  • いま: 2026年2月13日、マドリードの国立音楽堂で、兄アルフレドと『Diez sentíos(十の感覚)』を歌った。五感を2倍にして10の曲種を歌う約70分の公演で、資料によれば、本人は「パロ」という呼び方を擁護している。2025年7月11日にはバルセロナ現代文化センターで、エル・ドラードと組んだ作品の中で、打楽器のアントニオ・モレノとミゲル・エルナンデスの詩『Como el toro(牡牛のように)』を歌い、その映像『Como el toro』(2025年7月11日)が2026年7月に公開された。
  • 位置づけと入り方: 叔父に連れられて祭りの席で歌い始め、ヘレスの先人を「勉強」して、自分の言葉で歌を作り直してきた人である。まず2018年の『シギリージャ』で兄弟の呼吸を、次に2014年のカディスの小唄で軽さを、最後に『Cantes del Silencio』で記憶を歌う声を聴くと、伝統と実験の両方に足を置く歌い手の姿が見えてくる。

フラメンコギター工房だより

  • セビリア近郊マイレナ・デル・アルハラフェのアントニオ・J・ガルシアとダリオ・ガルシアの父子の工房を取り上げる。所在地はマイレナ・デル・アルハラフェのピサ工業団地である。グラナダのマリン家の工房(8月5日などに紹介)そのものではなく、マリンの甥に習った父から技を受けた別の工房である。
  • 父アントニオ: スペインのギター店ラ・ギタレリアの紹介によると、1999年、ほとんど偶然にギター作りを始めた。最初は独学で型や力木(表板の裏の補強材)の配置を試し、コルドバ・ギター祭の講習で、アントニオ・マリンの甥パコ・サンティアゴ・マリンとその息子ルイス・サンティアゴに学んだ。1年ほど後、グラナダの製作家ロルフ・アイヒンガーと出会い、繊細で丁寧な仕事を学んだ。アントニオ・デ・トーレス、ホセとマヌエルのラミレス、エンリケ・ガルシアの歴史的なギターの複製を作りながら、基礎を身につけた。2002年からマイレナ・デル・アルハラフェに住む。
  • 息子ダリオ: 米国のギター・サロン・インターナショナルによると、ダリオは2002年生まれで、師は父だけである。17歳でギター作りに興味を持ち、何年も父の工房で見習いを続けた。米国の楽器市場の出品情報によると、2019年から父子の共作が始まり、父が表板の音の調整と力木を、息子が残りの組み立てを担い、ダリオのラベルで出した。2024年夏、グラナダの第7回アントニオ・マリン・モンテロ国際ギター製作コンクールで、ダリオはフラメンコギター部門の2位、クラシックギター部門の3位を取った。
  • 2025年の「ネグラ」: ギター・サロン・インターナショナルが扱った2025年製の「フラメンコ・ネグラ」は、表板が1973年のスプルースで、亡くなった製作家の親族から父を通じて手に入れた古材である。裏と横はフィリピンの黒檀カマゴン、弦長655mm、ナット幅51mm、セラックを手で塗り重ねるフレンチポリッシュ仕上げ。力木は、マドリードの名工バルベロのモデルに倣った5本の扇形を少し変えたものだという。専門店は、出だしが輝かしく、少しかすれた声と、木の、のどの奥から出るような伝統的な響きがあると評した。ヘロニモ・マヤがこの楽器で弾いた『Corazón Maya(ブレリア)』(ギター・サロン・インターナショナル公式、2025年)では、速い刻みの中で低音がにごらずに抜ける所を聴きたい。
  • 父の2018年製と比べる: 専門店ソレラ・フラメンカが売った父アントニオの2018年製フラメンコギターは、ドイツ松の表板、スペイン産シープレスの裏と横、弦長655mm、ナット幅53mm、12フレットの弦高2.5mm、重さ1,100g。10月19日に紹介したアンドレス・ドミンゲスの1997年製(弦高3.2mm、1,430g)と比べると、弦高は0.7mm低く、330gも軽い。軽く鳴りの速い楽器は、踊りの伴奏で足音に負けない反応を生む。
  • 歴史への敬意: ダリオは、1856年のアントニオ・デ・トーレスの名器「ラ・レオナ(FE04)」の複製も作っている。2022年製の1本は、スプルースとシープレス、弦長650mm、重さ1,240gで、真ちゅうの共鳴筒(トルナボス)を胴の中に入れ、元の楽器と同じ形の駒を持つ。親から子へ、そして19世紀の名器から21世紀の若い手へ、技が渡っていく。

フラメンコのパロ解説

  • 今日のパロはベルディアーレス(Verdiales)。マラガ県の山あいの村で生まれた、歌と踊りと楽器の祭りの音楽で、アンダルシアのファンダンゴの一つである。フラメンコより前からある「フラメンコ以前のファンダンゴ」の姿を残すとされ、街の劇場で磨かれた歌とは違って、村の祭りや家族の集まりと結びついたまま続いてきた。それをフラメンコの歌い手やギタリストが少しずつ取り込み、フラメンコの曲種の一つになった。
  • 名前の由来(諸説): マラガのオリーブの産地で育つ「ベルディアル」という品種(熟しても緑のまま)から来たとする説、マラガ市の北の農村地区「ロス・ベルディアーレス」の名から来たとする説がある。起源をイスラム教から改宗したモリスコの音楽に求める古い説もあるが、疑問視されている。
  • パンダ(楽団): 祭りでは「パンダ」と呼ばれる一団が演奏する。バイオリン1〜数挺、ギター2本以上、大きな枠太鼓のパンデロ、小さなシンバルのプラティージョス、カスタネットのパリージョスに、歌い手と踊り手が加わり、リュートやバンドゥリアが入ることもある。リボンで飾った杖を持つ「アルカルデ(村長)」が曲の始まりと終わりを合図し、旗手が先頭で踊る。パンダ同士が演奏で張り合う「チョケ(ぶつかり)」もある。
  • 三つの様式: 地域ごとに「モンテス」「アルモヒア」「コマレス」の三様式がある。モンテスはマラガの山地の、最も古く力強い型、アルモヒアは三つの中で最も速く、コマレスはパンデロが一歩下がり、旋律楽器が前に出る。
  • 祭りの暦: 最大の祭りは、12月28日(聖なる幼子の日)にマラガ市のプエルト・デ・ラ・トーレで開かれる「ベルディアーレスの大祭」で、2024年には62回目を迎え、アルモヒア10、コマレス6、モンテス12の計28のパンダが集まった。1960年代までは山の村に集中していたが、過疎化で人々が街の周辺へ移ると、祭りも一緒に移った。2010年、アンダルシア州はこの祭りを文化財(民族学的な関心を持つ行事)に登録した。今年9月の地元紙の発表では、今日のフラメンコニュースのリンコン・デ・ラ・ビクトリアの集落ベナガルボンで開くモンテス様式の第31回コンクールに、9つのパンダが集まるとされた。
  • フラメンコの系統: フラメンコの体系では「マラガの歌」の一群に入り、一定の拍を持つ「ファンダンゴ・アバンドラオ」の仲間である。ロンデーニャ、ハベーラ、マラゲーニャの古い形と近い。19世紀後半には、ベレス・マラガ出身の歌い手フアン・ブレバ(1844〜1918年)が、この歌をフラメンコの舞台で歌い広め、彼の型は「フアン・ブレバのベルディアーレス」と呼ばれる。
  • コンパス: 3拍子(4分の3拍子)の速い踊りの拍で進む。「イチ、ニ、サン、イチ、ニ、サン」と3つずつ数え、ギターのかき鳴らしは「タ、タ、ター」と3拍目へ向けて押し込む。研究誌『ラ・マドルガ』の論文によれば、1拍目の強さは和音の支えなしに残るか、シンコペーションとして現れることが多く、ギターの和音の変わり目はたいてい2拍目か3拍目に来る。パンダではパンデロが拍を打ち続け、特にモンテス様式ではパンデロの打ち方が一団を導く。
  • 調性とコード進行: 楽器だけの部分と歌の部分で調が入れ替わる「二つの旋法」の曲である。バイオリンやギターの間奏は、Eを主音にしたフラメンコ独特の旋法で、Am→G→F→Eと下りるアンダルシア終止を骨組みにする。歌が始まると明るいCの長調に移り、C→G7→C→C7→F→C→G7→Cのように進んで、歌い終えるとF→Eで元の旋法へ戻る。左手で弦を押さえる指使いでは、F、F♯、Gをセーハ(人差し指で全弦を押さえる形)で弾くことが多い。
  • レトラ(歌詞): 1行8音節ほどの短い詩句4〜5行を、繰り返しを使って6つの句に広げて歌う。テーマは村、守護聖人、恋、祭り、隣村との張り合いなど身近なものが多い。祭りでは歌い手が交代で歌い継ぎ、即興の掛け合いになる。
  • カンテ、バイレ、ギターの聴きどころ: 歌は、長調に移った瞬間の明るさと、句の終わりで声を高く張る所が聴きどころである。踊りは、男女が向かい合ってカスタネットを鳴らし、跳ねるように足を運ぶ村の踊りで、舞台のフラメンコの踊りほど足技を打ち込まない。ギターは、パンダでは複数で和音を刻む役、フラメンコの独奏や伴奏では、Eの旋法のファルセータで歌の前後をつなぐ役を担う。
  • 代表録音1(パンダ): マラガ県パンダ連盟公式の『ベンタ・エル・トゥネルでの大祭、パンダ・アルモヒア』(1988年12月28日)。約1分20秒の記録で、最も速いアルモヒア様式の演奏である。バイオリンが旋律を引っ張り、パンデロとシンバルが3拍子を刻む中で、歌が長調に入る瞬間に注目したい。
  • 代表録音2(フアン・ブレバ本人): 配信元公式の『En el pinar del amor(ベルディアーレス)』(フアン・ブレバ、復刻盤より)。20世紀初めの録音を1996年に復刻した約3分の音源で、フラメンコの舞台に持ち込まれた最初期のベルディアーレスの声が聴ける。雑音の向こうで、句の終わりを高く引き伸ばす節回しを聴きたい。
  • 代表録音3(その継承): 配信元公式の『Verdiales de Juan Breva』(アンヘル・デ・アローラ、ギターはパコ・デ・ラ・イスラ、1969年)。作家ホセ・マヌエル・カバジェロ・ボナルドが監修した選集『フラメンコの歌の記録(Archivo del Cante Flamenco)』に入った約3分半の録音である。マラガ県アローラ出身の歌い手が、ブレバの型を受け継いで歌う。代表録音2と比べ、ギターの3拍子の刻みがはっきり聞こえ、歌が祭りの踊りの拍に乗っているのが分かる。
  • 代表録音4(舞台の歌): アンダルシアのフラメンコ放送チャンネル公式の『マラゲーニャとベルディアル』(エンカルナ・アニージョ、番組『Generaciones』、2008年)。約6分の映像で、拍のない自由なマラゲーニャを歌ったあと、拍のあるベルディアルへ移る。拍が戻った瞬間にギターのかき鳴らしが入り、同じマラガの歌の二つの顔が並ぶ。
  • 似たパロとの聴き分け: マラゲーニャとは拍で分ける。マラゲーニャは拍のない自由なリズムで歌い手が伸び縮みさせ、ベルディアーレスは3拍子の踊りの拍が止まらない。9月22日と28日に扱ったウエルバのファンダンゴとは、楽器で分ける。バイオリンとパンデロ、シンバルの音が聞こえれば、マラガの山のベルディアーレスである。

まとめ

  • 2026年10月23日のスペインは、受け継いだものを自分の形に変える人たちが並んだ。モントーヤの系譜を家の中と世界の両方で弾くヘロニモ・マヤ、バルセロナからセビリアへ渡り父の記憶を踊りにしたアナ・モラレス、叔父の祭りの席から歌を「勉強」し直したダビ・ラゴス、父から子へ技が渡るマイレナ・デル・アルハラフェの工房、そして村の楽団が守るベルディアーレス。100年目を前に閉じる詩誌『リトラル』と、故郷の川を歌うコルドバのバンドもあった。
  • 別れは「ブエン・フィン・デ・セマナ(Buen fin de semana)」。金曜日の別れに使う「よい週末を」である。

参考ソース

  • 国内: El Mundo「El calor extremo bate un récord histórico en Europa con más de 50.300 muertes en un solo verano」(2026年10月23日) https://www.elmundo.es/salud/2026/10/23/6ada5bb9e9cf4a6b638b456d.html
  • 文化: El País「Julian Barnes, cara a cara con 'La regenta' en Oviedo」(2026年10月22日) https://elpais.com/cultura/2026-10-22/julian-barnes-cara-a-cara-con-la-regenta-en-oviedo.html
  • 文化: El Mundo「Cierra 'Litoral', la revista que fue germen de la Generación del 27」(2026年10月22日) https://www.elmundo.es/cultura/literatura/2026/10/22/6ada54a3e85eced60b8b4581.html /Wikipedia(スペイン語)「Litoral (revista)」 /COPE「La revista Litoral celebra su centenario…」 https://www.cope.es/emisoras/andalucia/malaga-provincia/malaga/noticias/revista-litoral-celebra-centenario-exposicion-resume-siglo-poesia-20260501_3355511.html
  • 文化: El Mundo「La Guardia Civil recupera en Sevilla una bula papal del siglo XVI…」(2026年10月22日) https://www.elmundo.es/cultura/2026/10/22/6ad4a6c4fdddff294d8b4581.html /elDiario.es「Recuperada en Sevilla una bula papal del siglo XVI…」 https://www.eldiario.es/sevilla/recuperada-sevilla-bula-papal-siglo-xvi-vinculada-batalla-lepanto-vecino-llevo-casa_1_13568463.html
  • 文化: El Mundo「Viva Belgrado: "Este nuevo disco es lo más mainstream que hemos hecho…"」(2026年10月22日) https://www.elmundo.es/cultura/musica/2026/10/22/6ad25c1cfdddffac738b4591.html /DOD Magazine「Entrevista a Viva Belgrado」 https://www.dodmagazine.es/entrevista-a-viva-belgrado-2026/
  • フラメンコニュース: La Noción「Rincón de la Victoria programa seis noches de flamenco…」(2026年10月22日) https://www.lanocion.es/rincon-de-la-victoria/20261022/rincon-de-la-victoria-programa-seis-noches-de-flam-4c894.html /Ayuntamiento de Benalmádena「La XIV Semana Flamenca de Benalmádena…」(2026年10月16日) https://www.benalmadena.es/noticias/N13621/La-XIV-Semana-Flamenca-de-Benalmdena-reunir-del-13-al-20-de-noviembre-espectculos-de-cante-baile-guitarra-y-otras-propuestas-culturales.html /Surco CLM「El Festival Posada Flamenca volverá a reunir en Tomelloso…」(2026年10月20日) https://surcoclm.com/noticias-por-provincias-clm/ciudad-real/el-festival-posada-flamenca-volvera-a-reunir-en-tomelloso-a-destacadas-figuras-del-cante-el-baile-y-la-guitarra-el-proximo-7-de-noviembre/ /La Portada de Extremadura「Fuente de Cantos celebra su XXIII Otoño Flamenco…」(2026年10月21日) https://www.laportadadeextremadura.com/cultura/fuente-cantos-celebra-su-xxiii-otono-flamenco-con-cuatro-noches-cante-baile-guitarra_9092_102.html
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  • バイレ列伝: Wikipedia(英語)「Ana Morales」 /Teatro Real 2020年2月7日公演プログラム https://www.teatroreal.es/sites/default/files/2020-02/Programa%20de%20mano%20-%20Ana%20Morales.pdf /DeFlamenco「Interview with Ana Morales」(2015年) https://deflamenco.com/revista/entrevistas/interview-with-ana-morales-1.html /DeFlamenco「Two Morales and two perspectives on the role of women」(2019年) https://www.deflamenco.com/english/show-reviews/two-morales-and-two-perspectives-on-the-role-of-women.html /lavozdelsur.es「Ana Morales desciende a las entrañas de Sevilla con 'Rapsodia'…」(2026年8月12日) https://www.lavozdelsur.es/cultura/flamenco/ana-morales-desciende-a-las-entranas-de-sevilla-con-rapsodia-su-estreno-absoluto-en-la-bienal-de-flamenco.html /Expoflamenco「Ana Morales: «La opinión de los demás me influye, pero no me frena»」(2026年9月8日) https://expoflamenco.com/revista/ana-morales-la-opinion-de-los-demas-me-influye-pero-no-me-frena/ /La Bienal 2026「Ana Morales - Rapsodia」 https://www.labienal.com/programa-general/real-fabrica-de-artilleria/ana-morales
  • カンテ列伝: CNDM 2026年2月13日公演プログラム(Fermín Lobatón) https://cndm.inaem.gob.es/sites/default/files/2026-02/AF_p24_AF%20baja%20dig.pdf /lavozdelsur.es「Flamenco con compromiso y memoria: David Lagos estrena 'Cantes del silencio'…」(2022年9月7日) https://www.lavozdelsur.es/cultura/flamenco-memoria-david-lagos-estrena-cantes-silencio-bienal_282402_102.html /DeFlamenco「Finals of the Cante de las Minas – David Lagos, Lámpara Minera」 https://www.deflamenco.com/revista/resenas-actuaciones/finals-of-the-cante-de-las-minas-david-lagos-lampara-minera-1.html /Expoflamenco 映像インタビュー(2022年) https://www.youtube.com/watch?v=eAQ8SQbouXk
  • 工房: La Guitarrería「Guitarras Antonio J García」 https://www.laguitarreria.es/34-antonio-j-garcia /Guitar Salon International「2025 Darío García "Flamenco Negra" SP/KA」 https://www.guitarsalon.com/product/2025-dario-garcia-flamenco-negra-sp-ka /Solera Flamenca「Flamenco guitar Antonio J. García 2018」 https://www.flamencoguitarsforsale.net/en/antonio-j-garcia-guitars/flamenco-guitar-antonio-j-garcia-2018/ /Siccas Guitars「Dario Garcia - 2022 La Leona」 https://www.siccasguitars.com/products/dario-garcia-2022-la-leona /Reverb「Antonio (Dario) Garcia Maple Guitar」 https://reverb.com/item/71704091-antonio-dario-garcia-maple-guitar-handmade-in-spain-flamenco-classical
  • パロ: Wikipedia(英語)「Verdiales」 /El Noticiero Digital「Una treintena de pandas dan colorido a la Fiesta Mayor de Verdiales en Málaga」(2024年12月28日) https://www.elnoticierodigital.com/una-treintena-de-pandas-dan-colorido-a-la-fiesta-mayor-de-verdiales-en-malaga/ /La Madrugá 第4号「Los otros fandangos」(2011年) https://www.laguitarra-blog.com/wp-content/uploads/2012/03/los-otros-fandangos.pdf /dmorill「Verdiales」 https://dmorill.wordpress.com/verdiales/ /Teleprensa「El Concurso Tradicional de Verdiales estilo Montes en Benagalbón reunirá a nueve pandas en su 31 edición」 https://www.teleprensa.com/articulo/malaga/concurso-tradicional-verdiales-estilo-montes-benagalbon-reunira-nueve-pandas-31-edicion/202609031212312499315.html

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